 |
 |
■■■
■■
■■ 母の不在
2005年01月11日(火)

平成16年12月22日、母がどこか遠くに旅立ってしまった。もう、二度と感じることのできない母のぬくもりを思い出すと、身体に四角い穴が開いてしまったような、その穴を冷たい風が吹き抜けるような胸の痛みを感じる。もう、二度と会えない。もう二度と話ができないのだ。でも、母は今病苦から逃られたのだから、良かったと思うべきなのかもしれない。苦娑婆とはよく言ったもので、生きていることの大半は苦しみのような気がする。四つ葉のクローバー程度の、ほんの少しの喜びのためにみんな生きているのかもしれない。悲しいけれど、人間はそんな些細な喜びだけで生きて行くことができてしまういきものなのだ。
両親を看取ってしまうと、未だ子供のいない私は、既にこの世の役目も終わったように思えてしまう。命のリレーなんていうけど、私は途中でバトンを落としてしまったリレー走者みたい。そんな風に考えると、動物の本能として自分はダメなんじゃないかと思ってしまうが、そんなことを考えても得るものはないから考えを切り替えよう。
今日から仕事に復帰した。仕事をするということは憂鬱だけど、私には仕事をすることができる健康な身体がある。与えられた仕事がある。すばらしい友人たちがいる。月並みな慰めかもしれないけれど、失ったものや得られなかったものを数えるより、与えられたものを数えるほうが楽しい。(月並みって、意外と馬鹿にできないんだ)
【写真:病院の窓から見た富士夕景】
|
|
 |