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小人たちのシリーズ第三作。 野原に出て、ついに身内の「借り暮らし」と再会した 喜びもつかの間、人間の世界とまったく同じに、 二組の家族が、ひとつの家で暮らすことは難しい。 というより、一時的にガマンはできても、ずっとは無理。
ここでアリエッティは、ますます「アンネ」に似てくる。 日々少なくなる食料、プライバシーのなさ、追われる危険、 とらわれの不自由さをかこち、外の明るい光にあこがれ、 人間との交流も恐れない。
アリエッティの両親、ポッドとホミリーの行動は、 これまでで最も「人間らしかった」。 彼らは、潔く、新しい家を去る。
「まあ、うれしい・・・」と、アリエッティがさけびました。 「・・・・うれしいわ。」 両眼が、急に、涙でいっぱいになりました。 「また、外に出られる・・・お日さまが見られる、また─」 (引用)
アリエッティは、その決断を運命の祝福と受け取る。 もしもアンネが外に出られたら、同じ言葉をもらしたかもしれない。
今回、存在感をきわだたせたのは、 独りで生きる借り暮らしの小人、スピラー。 危ない場面や、ここぞという場面で、ヒーローとなる。 ポッドとホミリーにとって、スピラーはもう、 野良小僧のような存在ではなく、どう受けとめていいのか とまどうほど、しなやかで強い、未知の若者となってしまった。
アリエッティにとっては、もともと評価の高い スピラーだったのだけれど。
ともかく、まだ放浪している三人が、とりあえず これから落ち着くというミニチュアの村(町?)で、 私を再び待っている。 (マーズ)
『川を下る小人たち』著者:メアリー・ノートン / 訳:林容吉 / 絵:ポーリン・ベインズ、ダイアナ・スタンレー / 出版社:岩波少年文庫1969
2001年10月22日(月) 『死の泉』
2000年10月22日(日) 『平成お徒歩日記』
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管理者:お天気猫や
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