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すごいタイトルである。 そのインパクト通り、どの整理術の本よりも、 身に染みる本であった。 風水整理術入門という副題にあるように、 風水の観点から見た、物事を整理するための指南書。
どうしても物に執着してしまうタイプなので、 物を捨てるのが致命的に下手。 それに加えて、物を買うときに、どうしてそれが必要なのかという 理由をしばしば忘れ、 物を手に入れたいという、結果に熱が入ってしまうタイプ。 ついつい、何でも集めてしまうので、 悲しくなるくらい、物があふれてしまう。 それでも、捨てようとすると、 これはまだまだ使えるし、あれは誰かから貰ったもので、 捨てると何だか悪いしと、罪悪感がつきまとう。 さらに加えて、分別が下手なので、 何をどう捨てたらいいのかわからないというから、 ほんとうにどうしようもない。 なら、買わなければいいのに、でも…と、 堂々巡りの悪循環。 それで、整理術やシンプルライフに興味を持てば持つほど、 この手の本が増えるので、ビミョーにごちゃごちゃ感が増していく。
そんな中、これではいけないと、 私を震え上がらせ、焦らせたのがこの本である。 風水の観点からの結論を一言で言うと、 「ガラクタは、スムーズなエネルギーの流れを妨げる」 物を持ちすぎるというのが、単に美観とか物理的・物質的な問題ではなく、 健康はもちろん精神的なことにまで影響する問題であるというのが、 私をあわてさせた。 つまり、ガラクタは、気を停滞させ、物事を停滞させ、 人を心身共に疲労させるということ。 それではいけないとしみじみ反省してしまった。 私は風水自体には、興味もなく、 黄色い物や宝くじを然るべき方角に置けば、 金運が向上する、そういう偏狭な理解であったが、 整理術についての風水的アプローチは、 本当に面白かったし、私にとっては的確な助言となった。
物を捨て、整理をすることで、悪い気を溜め込まない。 こういう物の考え方は、不要な物を捨てることへの罪悪感を うまく和らげてくれている。 さらに、エネルギーの流れをスムーズにするという考え方は、 結局は物だけの問題ではなく、 身体に悪い物を溜め込まない、 人間関係に悪い気を溜めない、 といったように、あらゆる場での自分の生活を振り返ることを 求められる。 何から何まで、クリーンな生き方は出来ないけれど、 どんなに忙しくても、もっと食に気をつけようとか、 愚痴や誰かの悪口に終始するような職場の人間関係には、 できるだけ加わることのないようにしようと、 そんなことを考えた。 それはやっぱり、当たり前のことかもしれないけれど、 その当たり前が、経験上、一番難しい。
亀の歩みだけれど、いつかは役に立つと、 そう思って取っておいた物の整理をしている。 (言い訳ではないけれど、ほんとにちゃんとそのいつかに 役立っているので、余計に思い切って捨てることが難しい。) しかし。 何より一番難しいのが、 いったい何が「ガラクタ」なのかだ。 他の人にどう見えても、私にとっては大切な物ばかりなのだから。 (シィアル)
追記:その「ガラクタ」探しのために、 『辰巳渚の「捨てる!」生活』(高橋書店)を見て、 捨てるべき物を決めている。 悩ましいことである。
『ガラクタ捨てれば自分が見える 風水整理術入門』著者:カレン・キングストン / 訳:田村明子 / 出版社:小学館文庫2002
2001年09月21日(金) 『ライトニング』
2000年09月21日(木) 『クリスマスに少女は還る』
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管理者:お天気猫や
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