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小人たちのシリーズ第二作。 「借り暮らし」のポッド、ホミリー、 アリエッティの三人家族は、 人間に見つかり、住みなれた家から、 野原へと隠れ住む。
そこには、床下の世界しか知らなかったアリエッティが 夢に見た自然があり、空は高く、 太陽は輝き、鳥は歌い、風はここちよく…でも、 それだけではない。 ここには守ってくれる壁はない。 仲間にだって、まだ出会えていない。 敵だっているし、冬が来れば凍えてしまう。
とつぜんの穴暮らしが一番こたえたのは、 当然ながら、アドリブに弱い母親のホミリーである。 しかし、それでも、ホミリーですら順応せざるを得ない 状況というものがあるのだ。 そんななかで、アリエッティは、普段はガミガミ小言や愚痴の多い 母親を、これまでになく身近に感じ、 一緒に花を摘んだりすると、まるで姉のようだと思ったりする。 そればかりか、
つかれてはいたでしょうが、 おかあさんのもちはじめた、 そういう冒険心を育てようと、 心にさだめたのです。 (引用)
アリエッティのこの気持ち、とてもリアルに 感じられてしまった。
野に出たポッドたちが期待をこめていたのは、 いずれ、近所に住んでいるはずの身内たちに 出会えるということ。
やがてポッドたちは、独り暮らしの小人の少年、 スピラーと出会い、 やっとのことで仲間と再会し、仮の家を得る。 そこでもまた、トムという人間の少年が 彼らの生活に大きく関わっていたのだった。
新しい家での暮らしで面白かったのは、 今でいう食玩のようなサイズの、人形用のおもちゃの食べ物を、 食事のテーブルのにぎわいに並べていること。 確かに、ケーキなんか、1種類しか焼いてなくても、 2種類置いてあるだけでうれしいかもしれない。 私もあれこれ集めた食玩を並べてみて、 お皿やトレーなども、小人たちの使えるものが たくさんあるのに改めておどろく。 熱いお茶が好きな彼らに使えるカップは 食玩にはないけれど、 もしかすると、いまの日本のコンビニには、 「借り暮らし」にとって最高の環境がそろっているのかも しれない。 (マーズ)
『野に出た小人たち』著者:メアリー・ノートン / 訳:林容吉 / 絵:ポーリン・ベインズ、ダイアナ・スタンレー / 出版社:岩波少年文庫2004新版
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管理者:お天気猫や
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