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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2004年06月03日(木) --

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『ダイヤモンドの海』

☆リンダの人魚姫。

海岸で謎の負傷者を助けたレイチェル。 男は昏睡状態で、しかも銃撃されていた。 ジャーナリストの経験があるレイチェルは、 とっさに判断する。 この人の命を守るには、極秘に介護すべきだと。

その読みは当たり、事件は公にならなかった。 負傷した男は、あの『炎のコスタリカ』でシブイ脇役を演じていた 大物諜報員のケル・サビン! しかも、大団円では『炎』の主役で「タイガー」とあだ名される グラント・サリバンや、 彼と結婚し、にぎやかな家庭をもっているジェーンまで登場。 さらに『瞳に輝く星』の牧場主ジョン・ラファティもあらわれて、 ・・・ということで、 この3冊は、『瞳』『炎』『海』の順で 読むことをおすすめする。 (なぜか『瞳』の感想はここに書いていない。 読んだのは割と最近なのだが)

原題は『ダイヤモンド・ベイ』。 フロリダ州の中部にある湾が舞台に設定されている。 本国での発表は1987年。

今回のヒロイン、レイチェルも、頑固さではサビンに 負けていない。ジェーンにも。 追っ手の組織からサビンを守るため、 身を挺して戦う。危ないといさめるサビンの言葉を聞かずに、 大人なのだから、自分のことは自分で責任を持つと言って。

とはいえ、敵の一人、エリスはちょっと 気の毒だった。 こういう憎めない悪人を出してくるセンスは、 ロマンスに深みを持たせるリンダ独特のスパイス。

リンダ版人魚姫の結末は、果たして…。 人魚と王子様ぐらい世界のちがう二人が、 どんな風に二人が住める新しい世界を見つけていくのか、 そしてどんな風にケル・サビンの鉄のガードが くずれてゆくのか、 熱い風を感じながら見守ってほしい。 (マーズ)


『ダイヤモンドの海』著者:リンダ・ハワード / 訳:落合どみ / 出版社:ハーレクインMIRA文庫2003

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