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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2004年04月07日(水) --

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『リビイが見た木の妖精』

『グリーン・ノウ』シリーズで知られる ボストン夫人の珠玉小品集。

『リビイが見た木の妖精』は、少女リビイが 田舎のマナーハウス(の薫りがただよう館)を訪れ、 川がもたらす洪水の恵みを通して、自然の不思議と 一体化するという、グリーン・ノウの「いとこ」的作品。 館の主は、ジューリアさんという不思議な独身女性。 この人が魅力的なので、緑につつまれた館の様子が いっそう真に迫ってくる。 原題は『Nothing Said』、これは物語の最後に リビイが家に帰ったとき、お母さんに、 ジューリアさんの館で起こったことを、 あれこれと話すことができなかったことを指している。 「みんな心のなかに、大切にしまっておくことにした」 リビイの心境こそ、この珠玉作品の根っことなっている。

『よみがえった化石ヘビ』は、タイトルの通り、 化石のヘビが現代によみがえり、少年ロブの 友となるというSFジュヴナイルめいたストーリー。 こちらは、9歳のチャールズ(息子のひとり?)に捧げられている。 ヘビがだんだん成長して大きくなっていく様子は、 苦手な人には相当不気味だと思う。 ともあれ、神秘的なエンディングは、 外国の風物を作品によく取り入れてきた ボストン夫人ならではの幕である。

黒く力強いタッチながら、繊細な感性を漂わせる絵を 描いているのは、息子のピーター・ボストン。 グリーン・ノウでもおなじみだが、とりわけ リビイの作品のタッチは、子どもの世界を叙情的に 描いている。 (マーズ)


『リビイが見た木の妖精』 著者:L・M・ボストン / 絵:ピーター・ボストン / 訳:長沼登代子 / 出版社:岩波少年文庫1980

2003年04月07日(月) ☆「おもちゃ文学」としての鉄腕アトム。

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