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祖母と母の間で迷子になってしまった祥子は、 大好きな祖母がくれたひまわりの花を、 母のいる家に持って帰ることができず、 ついに捨ててしまう。
今、祖母は亡く、母はいない。 家族の姿も、すっかり変ってしまった。
大人になった祥子と、子ども時代の祥子が交差しながら、 大切な相手との関係づくりにとまどう姿を描く。
この本を手にとったのは、エンディングが気になったから。 「癒されない孤独」と帯に書かれているけれど、 どうなのだろうと。 そして、もし癒されるのなら、どのように。
若い祥子の不器用な日々を一気に読み終えて、 最後に、ほっとする。
あの日、ほんとうに捨てられたのは祥子自身。 川面を流れていった、ひまわり。 アルコールに依存する祥子の奥底には、 まだまだ溶けきれない思いも残っているだろうけれど、 もしかしたら、あの日のひまわりも、 どこかの岸辺で、誰かの手に拾われたのかも しれないと、思う。
拓海が祥子に、そっと手をさしのべたように。 (マーズ)
『すてられたひまわり』 著者:松山るみ / 出版社:新風舎2004
2003年01月29日(水) 『チープスリル』
2002年01月29日(火) 『やわらかい手』
2001年01月29日(月) 『雪女のキス』
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管理者:お天気猫や
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