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『まぼろしの白馬』で知ったエリザベス・グージの名を 見つけて、手に入れた英国の珠玉作家の短編アンソロジー。
チェスタトンやマンスフィールドら、13人が顔をそろえる。 とはいっても、ほとんどは、日本ではなじみの薄い作家たちだ。
グージの作品『羊飼いとその恋人』は、 モンゴメリの短編を思い出すようなテイストに、 初めて読む作家とは思えない親しみを感じて一息に読んだ。 英国を舞台に、ミス・エイダ・ギレスピーという未婚の50代女性に 時を同じくして訪れた、人生の転機とささやかな奇跡の物語。
児童書の『まぼろしの白馬』とは主人公も タッチもちがうのだが、幸せな結末を信じさせてくれる グージの魔法には、同種の香りが満ちている。
もしも、なんの気なしに入った店で、 「これは私のために生まれてきたのだ!」と直感するような 出会いを経験したことがあれば、この奇跡はさらにリアライズ されることだろう。
そして、コッツウォルズの村の美しさにあこがれた ことのある人ならば、なおさらに。
そして、さらにそして。 あなたが、ずっと人の世話に明け暮れる日々を 心の底で愉しんできた、多忙きわまる人であるならば。 (マーズ)
『英国短編小説の愉しみ2 小さな吹雪の国の冒険』に収録 / 著者:エリザベス・グージ / 編:西崎憲 / 訳:高山直之 / 出版社:筑摩書房1999
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管理者:お天気猫や
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