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ニューヨークのまんなかで。
ドリーニーと妹の転校した学校は、新しい学校。 マグネット・スクールとも呼ばれ、 設備を充実させ、教育課程も広範囲に及ぶ、 人種や通学区にとらわれない公立学校だ。
ドリーニーの出合ったクラスメートのなかに、 ブルーイッシュがいた。 車椅子に乗ってやってくる、青い顔の女の子。 手編みの毛糸帽子をいつもかぶってる。 気難しくてやせ細っているけれど、かわいい小犬を連れている。 皆、最初はどう扱っていいのか戸惑っているだけ。
でも、ブルーイッシュがいることで、クラスが 変わってゆく。ドリーニーはそう思っているけれど、 本当はそれだけじゃない。 ドリーニーがやってきてから、皆が変わったのだ。
重い病気から回復しきっていないブルーイッシュに 毎日ハラハラさせられながらも、 目立ちたがり屋で寂しいテュリや ドリーニーの妹ウィリー、 親や先生たちのつながったコミュニティーの 描写のあたたかさは、やはりここが特別な学校だからだろうか。
ニューヨークのまんなかで、人種のるつぼのただなかで、 相手への特別な思いやりをたずさえた場所。 連鎖的に、皆が手をつなぐひとときが、増えてゆく。
家庭の明かりは親が照らし、 学校の明かりは先生が照らしている。 子どもたちは、照らされて、照らし返すことで、 生きている。 世界のどこでも、どんな肌も、 同じように、受けた光を返すことができるのだ。 (マーズ)
『ブルーイッシュ』 著者:ヴァージニア・ハミルトン / 絵:朝倉めぐみ / 訳:片岡しのぶ / 出版社:あすなろ書房2002
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管理者:お天気猫や
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