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夢の図書館新館

お天気猫や

-- 2003年03月24日(月) --

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「魔法使いハウルと火の悪魔」

☆シンデレラの、生きるちから。

「ハウルの動く城」シリーズ第一作。
スタジオジブリによって、現在映画化が進んでいる。
ファンタジーであると同時に、ロマンスであり、
ミステリであり、シンデレラ物語であり、オズの魔法使いでもある。

主人公は18歳のソフィー。
長女は成功できない、というジンクスを信じ込んで
妹たちに道をゆずりながら生きていたのに、
魔女の怒りにふれ、おそろしい魔法にかかってしまう。

そして老婆となったソフィーがたどりついたのは、
プレイボーイ魔法使いハウルの住む、神出鬼没なお城。
このお城の感覚、昔夢で観たことがなかったか?と
思ってしまうようなリアルさがある。
ゆっくり動いていく感じとか、浮遊感とか。
ちょうど夢のなかの、いごこちのよい穴ぐらにも似て。
アニメもきっと観るだろうから、そのあたりが
どんな風にビジュアル化されるのか、楽しみだ。

さて、魔法で姿を変えられるソフィーの物語は、
シンデレラをベースに進んでゆく。
オズのかかしや、アラビアンナイトを思わせる火の悪魔、
魔法使いの弟子、王族や街のひとびと、荒地の魔女。
ジョーンズらしく、異次元の世界として、私たちの世界も
登場させている。
ハウルがくりひろげる魔法の決闘シーンは、目のさめるような
魔法的迫力で、大魔法使いクレストマンシーのシリーズとは
またちがった冒険を味わうことができる。

アニメになるとわかっているせいか、ついつい、
動く絵を想像しながら読んだ。
最後にきっと待っているはずの、甘いときめきをも
期待しながら。
シンデレラとは、生き抜いて幸せを手にする女性の
代名詞なのだから。
(マーズ)


「魔法使いハウルと火の悪魔」 著者:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ / 訳:西村醇子 / 出版社:徳間書店

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