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先日、『タンタンの冒険』展へ行って、 高かった図録のかわりに、エルジェ自身がいちばん 好きだったという『タンタンチベットをゆく』を買ってきた。 絵本のような大きいサイズの、しっかりした薄い本。
有名なタンタン、キャラクターにはなじみが あるけれど、じつはちゃんとお話を読むのは これが初めてだったりする。 そもそも彼は、1929年に『プチ20世紀新聞』という 子ども向けの新聞に連載された漫画の主人公だった。 職業は世界をめぐる記者という設定だ。 著者のエルジェ(1907-1983)はベルギー生まれ。 新聞の編集長が本職で、幼いころから絵を描いていた。 タンタンのように世界を旅したのは、60代になってからという。
中国人の友人・チャン少年が飛行機事故に遭い 行方不明となったことを知ったタンタン。 お供の白犬スノーウィを連れ、 ついでにハドック船長(タンタンをほうっておけない元海の男。口悪し) まで一緒に、えいやっとネパールへと向う。 なんと、イエティ(ヒマラヤの雪男)も登場する冒険譚! 中国人のチャンは、『青い蓮』にも登場していて、 実在のエルジェの友人、留学生だったチャンがモデルだという。
タンタンの本は、コミックとはいっても、 けっこう読むのに時間がかかる。 ていねいな絵、日本の漫画よりも長いセリフ、 世界の大きさ。 特に今回は、ハドック船長の毒舌バラエティー日本語訳に 舌を巻いてしまう。
伝説のイエティってどんな生き物なんだろう? チャンは無事でいるのだろうか? 事故の現場、ヒマラヤへと登るタンタンたちを 待ち受けていたのは・・・
火星と木星のあいだの惑星には、 ベルギーの航空宇宙局によって エルジェという名前がつけられているそうだ。 ヒマラヤからは、肉眼でも見えたらすごいな。 (マーズ)
『タンタンチベットをゆく』 著者:エルジェ / 訳:川口恵子 / 書き文字:大川おさ武 / 出版社:福音館書店
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管理者:お天気猫や
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