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旅先のカフェに置いてあって気に入ったので、 帰ってから取り寄せた本。
イギリスのあちこちに残る、ほとんどは家族経営の ティーハウスを訪ね歩き、名物ケーキのレシピや 穏やかであたたかい雰囲気をそのまま写真にしている。
足を運び、自分たちのお金で食事をしてみて、 それで「良し」と思ったお店だけにその場で取材をお願いするという スタイルらしく、アポを取って行くのとはまたちがった ハプニングもあり、店内の写真は自然な雰囲気をかもし出している。 最初に行ったときは休みだったとか、 また行ってもまた休みだったとか、 ケーキが残り少なくて口に入らなかったとか、 思わぬおまけがあったりとか、 通りがかりに見つけて飛び込んだとか、 そういうのが旅っぽくていい。
「ティーハウス」という言葉を改めて意識して、 ああ、と納得がいった。 ティールームとかティーショップとも呼ばれるそうだが、 ティーハウスというのがいかにもイギリスだ。
二度目のロンドン旅行で、郊外を訪ねる日帰りツアーに参加した。 日本人の現地ガイドがついていて、お客はほんの3人くらいの少人数。 モーニングティーとお昼ごはんは、途中の田舎町にある カフェを各自利用するというスタイルだった。 そのときは、呼び名がわからなくて、喫茶店とかカフェとか 読んでいたけれど、あれがティーハウスだったのだ。 自家製のお菓子や、軽食を楽しむお店。 近所の人たちが集まってくるお店。
そういえば、あのとき、今では名前もわからなくなった町の モーニングティーを飲んだティーハウスの前で、 近所に住むおばあさんと、ほんのひとこと言葉を交わした。 「もうここに50年も住んでるのよ!50年ですってさ!」 とばかりにケラケラ笑ったおばあさんは、なかなかチャーミングだった。
cozy(英語のサブタイトルにも使われている言葉: 居心地がよくてこじんまりした感じ)な ティーハウスを本のなかでめぐっていると、 そういう住民たちが通うお店のたたずまいと地域色豊かな個性に、 しばしうっとりとさせられる。
四度めのイギリスに行くことがあったら、 ぜひ、念願の、田舎町のB&Bとティーハウスめぐりを。 ─食事全部それでもいいから。 (マーズ)
『イングランド─ティーハウスをめぐる旅』 著者:小関由美 / 写真:小関由美・福原ゆり / 絵:松成真理子 / 出版社:文化出版局
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管理者:お天気猫や
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