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ディスクワールド・シリーズの番外編。 この短編は、R・シルヴァーバーグが編集した 『伝説は永遠に』というタイトルの、エピック・ファンタジー (ヨーロッパ風異世界譚)アンソロジー4本集に収録されている。
『ディスクワールド騒動記1』から始まった、魔法使いや魔女の 登場する世界の物語は、ファンタジー読みだけでなく、 ユーモア文学の好きな方のほうが、むしろ抵抗がないのかも。
この短編以外は未読だが、テリー・プラチェットは 英国では相当に人気作家らしい(1948-)。 『三人の魔女』という、シェイクスピアか猫やか(比喩にならんが)、 といった作品もあるので、いずれ読むつもり。
「海は小魚でいっぱい」は、 年季を積んだ魔女たちのライバル意識や ひと癖もふた癖もある女という生き物(と猫か)の 友人づきあいを描いて、むしろ読後はさわやかである。 ユーモラスな甘い毒や苦い薬などを ページのすみずみにまではさみこむ手法ゆえ、 笑いながらも一言一句神経が抜けない作品。
もともとこのアンソロジーにおさめられた短編は、 すべてカリスマ作家によって生み出された広大な別宇宙の その果てのひとつ星のごとき、これまた名作なので、 本来これを読むのは、その世界を熟知している、 ──たとえば私がここに収められた『ゲド戦記』の番外編を読むために いそいそと買い求めたように──マニアではあるのだろう。
ただ、このプラチェットの作品に関してだけは、 少なくても、全体を知らずとも十二分に楽しめると 思ったので、ここに書くことにした。
訳文も良かった。ただ、老魔女のセリフを今風に「どうよ?」ってのは 「どうよ」とも思うが、それもまた楽し? (マーズ)
「海は小魚でいっぱい」(著:テリー・プラチェット)の収録本:『伝説は永遠に』(3) ロバート・シルヴァーバーグ編 / 訳:斉藤伯好ほか / 出版社:ハヤカワ文庫FT
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管理者:お天気猫や
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