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夢の図書館新館

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-- 2002年02月07日(木) --

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☆何となく好きなもの

誰にでも、これという理由がないのに好きなもの、 そういうものがありますよね。 いえ、確かに理由はもちろん、あるのだけれど、 言葉でははっきり言い表すことができない曖昧な「好き」が。 あるいは、時には「好き」なのか「嫌い」なのかわからない、 そんな複雑な「好き」が。

絵や写真の好みが、まさにそれです。 大好きなんだけど、どこがどう好きか、説明できない。 ただ、好きなだけ。 思い出した時にしか開かないけれど、 そこにあるというだけで、すごく満足。

好きな画家はたくさんいるけれど、 ルイ・イカールは、”不思議”に好きです。 アール・デコ期の画家で、女性を妖艶に描いています。 女性的な”とろっ”とした感じが、 ちょっと、ひっかかりながらも、それでもなんだか好きなのです。 あまりに女性的な女性の絵というのは、本来好きではないのですが。 でも、イカールは別のよう。 どこかに、微妙な境界線があるのでしょう。

ルイ・イカール美術館(Louis Icart Art Museum)  (イカール作品のバーチャル美術館)  http://icart.jpweb.sh/www/index.html

写真ではサラ・ムーン。 「どこが好き?」と問われても、 理由を説明するのが難しい。 うーん。それはやはり「美しい」から。 とりあえず、そう答えよう。 それは間違いないから。 以前、サラ・ムーンを取り上げた時には触れなかったけれど、 美しい写真だけれど、じっと見ていると ”不安” ”不安感” ”不安定” そういう気持ちがわき起こってきます。 月並みだけれど、スタイリッシュでキレイ、 おしゃれな感じ、というのも好きな理由ですが、 ときおり、忘れていた居心地の悪さのようなものを 思い出してしまいます。 それが私にとっての、最大の魅力でしょうか?

2001/05/16 『SARAH MOON / 多弁なモノクローム』

作家だとトーベ・ヤンソン。 好きなんだけど、ムーミンにしろ、 その他の小説にしろ、読んでいて、苦しくなる。 淡々とした、静けさが苦手なのだろうか。 苦しければ読まなければいいのだけど、 そこで感じる不安感は、 やはり、自分に必要なものだと思える。 大きく心が揺さぶられるわけではないけれど、 小さなさざ波がずっと、心に残っている。 どうしてなのか、その理由を忘れたまま、 それなのに、言葉にできない何かがそこに”ずっと”あり続ける。 考えてみると、好きなのか、好きじゃないのか、 自分でもよく分からなくなってくる。

2000/12/11 『ムーミンとわたし』  2001/07/23 『ヤンソンさんが教えてくれたもの』

どうしてなのか分からないけど、 どうやら好きらしいものがある。 よくわからないけれど、 でも、何かがひっかかり続けている。 そんなものが誰にでもありますよね。 もちろん、本や写真、絵に限らず、人生のそこここに。(シィアル)


■ルイ・イカール(1888−1950)フランスの銅版画家
 ・『ルイ・イカ−ル(小さな美術館) ア−ル・デコの女性たち』
  著者:島田紀夫 / 出版社:河出書房新社
■サラ・ムーン(1940- )写真家
・『Vrais semblants(Parco vision contemporary) 幻化』
  写真:サラ・ム−ン / 出版社:パルコ出版局
 ・『赤ずきん(ワンス・アポンナ・タイム・シリ−ズ) 』
  著者:ペロ− / 写真:サラ・ム−ン / 出版社:西村書店
■トーベ・ヤンソン(1914-2001)小説家
 ・(講談社)
   『少女ソフィアの夏』 
   『彫刻家の娘』
   『ムーミン・シリーズ』
 ・(筑摩書房 / トーベ・ヤンソン・コレクション)
   『軽い手荷物の旅』
   『誠実な詐欺師』
   『クララからの手紙』
   『石の原野』
   『人形の家』
   『太陽の街』
   『フェアプレイ』 
   『聴く女』

2001年02月07日(水) 『わたしには向かない職業』

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