HOME*お天気猫や > 夢の図書館本館 > 夢の図書館新館
メリングの新作『夏の王』が出た! 思いもよらなかったので、嬉しくて、 日中の仕事関係のいろいろによる「意気消沈」も忘れ、 PCの前で、ちょっぴり、小躍りをしてしまった。 メリングはケルト・ファンタジーの作家で、 いままでに 『妖精王の月』『歌う石』『ドルイドの歌』 の3作がある。 新作を長いこと待望し、 あまりに長いこと待っていて、 待っていたことすらもう忘れていた。 だから。 喜びもひとしおなのである。
私は、ケルト系の物語が大好きだ。 きっかけは、映画『フィオナの海』に遡る。 いまから何年前になるのだろう。 ケルトブームの初期の頃だと思う。 上映会の会場では、ケルト関係の本が展示即売されていた。 『フィオナの海』の原作本をはじめ、 興味深いけれど、どの本もハードカバーの本で、 ちょっと、お試しに読んでみるには、高価であった。
そんな中に、一冊だけ文庫本があった。 数冊単位に積み上げられた本の谷間、 一冊だけ残っていたその本は、 『ジャッキー、巨人を退治する!』
ケルトとどう関係があるのか、 『ジャックを豆の木』を模した表紙からは想像がつかない。 ほんの少し迷ったけれど、 他に手ごろな価格の本がなかったことと、 最後の一冊(あるいは一つ)、に私が弱いことと、 何より、多分。 今日買わなかったら、 書店の無数の本の海から、この背表紙を見つけることは、 もう絶対ないだろうという確信から、 せっかく出会ったこの巡り合わせは 意外と大事かもしれないと、 一瞬の間にいろいろ考え、結局、購入した。
ケルト系妖精・魔法の世界がベースにある現代ファンタジー。 それが『ジャッキー、巨人を退治する!』であった。 実際に私を、ケルトの世界に引き込んだのは、 『ジャッキー』の著者のチャールズ・デ・リント。 『ジャッキー、巨人を退治する!』を手にしたあの瞬間、 それは、まさに、「新しい扉を開ける本」との ラッキーな出会いの瞬間であった。 あの時、デ・リントを読むことがなければ、 メリングを読むことも、 ケルト系ファンタジーに引き込まれることもなかっただろう。 一気に、ケルトのハイ・ファンタジーにのめり込み、 デ・リントの小説を全部読んでしまった頃、 さらに、ケルト系ファンタジーを読みたくて、 書店の棚を舐めるように、探し続けていた時、 O・メリングとめぐり会ったのだった。
デ・リントのファンタジーは、現代的で、 例えればスピーディなロックの世界だ。 それに対して、メリングのファンタジーは、 (何の例えにもなっていないが、) 正統的なケルト音楽が行間から聞こえてくる感じかな?(笑)
で、ずいぶん、前置きが長くなり、 バランスが悪いのだが、今日は、O・メリングの新作、 『夏の王』が出て、もう、嬉しくてたまらない!という話である。 私は紀伊国屋WEBの会員なので、 リコメンドサービスというのを利用している。 好きな作家やジャンル、気になるキーワードを登録しておくと、 登録作家や関連ジャンルなど、登録項目に関連した新作が出版されると、 WEB上でお知らせがあるのだ。
デ・リントは、なかなか新作が訳出されない。 メリングも、新作が出なかった。 両作家とも、登録しているのだが、 この4-5年、ずっと新作が出ないままである。 もう、半ばあきらめていたので、 今日初めて知り、ほんとうに嬉しかった。 メリングの本は物語だけでなく、どれも装丁が美しく、 4冊目のこの本も同様で、手に取るのが楽しみである。 とにかく、私は嬉しいのだというのが、今日の主旨。
常日頃から、本の内容を直接語ることの少ない私だが、 今日も、本の内容には触れずに終わる。(笑)
とはいえ。 デ・リントやメリングの個々の本の魅力や、 ケルト・ファンタジーについては、 いつかまたの機会に。(シィアル)
■ O・R・メリング / すべて講談社
・『妖精王の月』
・『歌う石』
・『ドルイドの歌』
・『夏の王』 NEW
■ チャ−ルズ・デ・リント / すべて創元推理文庫 (入手不可)
・『リトル・カントリー(上)(下)』
・『ジャッキー、巨人を退治する!』
・『月のしずくと、ジャッキーと』
>> 前の本 | 蔵書一覧 (TOP Page) | 次の本 <<
管理者:お天気猫や
夢図書[ブックトーク] メルマガ[Tea Rose Cafe] 季節[ハロウィーン] [クリスマス]