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山田風太郎氏が亡くなりました。 稀代の奇想娯楽小説家、 戦後何度もブームを巻き起こしては消える究極のキワモノ、 平成の世においては恐るべき天才老人、 その実変わる事なく冷え切った死への眼差しを持つ作家。
東京でB29を見上げていた医大生は、 驚天動地の仕掛けで戦後ミステリ界に登場し 無敵の面白さの娯楽作品群を生み出します。 実は私は子供の頃こっそり家にあった 「忍法帖」シリーズなどを隠れて読んでいたのですが、 子供ゴコロにもさすがにこれは「有害図書」であろう、と 長い事「山田風太郎を読んだ事がある」事を 人には喋りませんでした。 しかし心秘かに思っている訳です。 アダルト向けコミックスさながらのトンデモない小説ですが、 この作者はなんというか、芯のところが私に近い。 そして、凄い。
20代のデヴュー当時から飄々として作品内で「死」を弄び、 著名人の臨終の様子をコレクションし、 72歳で晩飯を食べられるのも「あと千回」というエッセイを 連載しはじめその最中に病気になっては評判になり、 周囲の人達も巻き込んで死を眺め語っていた風太郎先生。 70歳代の老人を大いに語って結局80歳代のお話は 聞き損ねたのが残念な享年79歳。
風太郎先生のファンはみんな聞きたいですよね、 「で、山田さん、実際にはどうでした」 でも、もう答えては貰えない。 では皆さん、風太郎先生を偲んで 明け方にウィスキーで乾杯(ナルシア)。
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管理者:お天気猫や
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