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舞台は悪夢屋敷。 大晦日の夜、魔術師と魔女を主役に、 お付きの猫とカラスが裏の主役となって、 生き残りを賭けたタイムレースが始まった!
サカシマな了見の持ち主である魔術師と魔女が 生き残るためには、ある契約にもとづいて、 世界におおいなるわざわいをもたらす必要があった。 試験の前夜、何も勉強をしていない学生が 見るような悪夢である。正攻法ではどだいムリなのだ。 相当なワルモノである彼らをしても 追いつかないほどの邪悪な契約を結び、それを 迫る取立人と、その雇い主の存在もまた、悪夢である。
もし、午前0時の鐘が鳴り終わる前に ある魔術が完成しなければ─つまり、 良い願いであれ悪い願いであれ 願った願いをすべて逆にかなえる魔法のカクテルが 首尾よくできなかったならば、 「契約」によって彼らは破滅する。
じつは、猫のマウリツィオとカラスのヤーコプは、 動物最高評議会から送られてきた 監視役の動物スパイ。 いかな魔術師と魔女といえども、市民の監視団体のような 動物最高評議会の抗議には弱いらしく、 スパイと知っていながら猫とカラスをかわいがる振りをしている。
たがいに相手を出し抜こうとする黒魔術師イルヴィツァーと 伯母で金魔女のティラニア。 いずれ地獄に行くことは二人ともわかっている。 そういう風にしか生きられないのだから。 それは遅ければ遅いほどいい。
そんな彼らの猫なで声を信じきっていると見せかけ、 その裏をかいて、世界を守ろうと闘う二匹。 人間がだれひとり、気づかないところで、 機知と勇気で世界を破滅から守ろうとする彼らを、 やはり、だれかが見守っている。
魔術師と魔女が魔法のカクテルをつくるくだりは、 巨人エンデの本領発揮といったところ。 魔法のカクテル、もしも目の前にあったら、 あなたは何を願うだろう? またの名を 「ジゴクアクニンジャネンリキュール」…(マーズ)
『魔法のカクテル』 著者:ミヒャエル・エンデ 訳:川西芙沙 / 出版社:岩波書店
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管理者:お天気猫や
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