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私たちはときに、言葉には価値などないという。 言葉で伝えられないものが大切なのだと。
この本に残されたエンデの言葉は、 言葉への信頼に満ちている。 あるいは言葉を語る存在への信頼に。 その存在を存在させうる宇宙への信頼に。
あまりにも自然体で、あまりにも率直なヴィジョンが 次々とあらわれて、ページは飛ぶように 過ぎてゆき、やがてテープは白い余白になり、 エンデは死の床にいる。
誰の人生もそうであるように。
エンデは励ます。 私たち人間が、生まれた瞬間から言葉を話そうと 必死になるのは、もともと言葉を内に持っているから。 それなのに、言葉に価値がないなどと 誰に言えるだろう?
聖書に書かれた宇宙のはじまり、 それは言葉による波動だという人もいる。 そこからすべての「遊び」は、はじまったのだと。
「この宇宙全体は、ただ言語から成っている」
そう語った魔法使いは、いまどこを飛んでいるのだろう。(マーズ)
『ものがたりの余白─エンデが最後に話したこと─』 著者:ミヒャエル・エンデ / 聞き手・編訳:田村都志夫 / 出版社:岩波書店
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管理者:お天気猫や
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