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このタイトルですから、「多重人格ホラー」か?
と、例によって勝手にずっと思っておりまして。
(ダニエル・キイスの『五番目のサリー』ですね)
ちがったちがった。
この「六番目」は「六代目」といった意味でした。
とある地方都市の進学校に代々受け継がれる「サヨコ」、
今年は六番目のサヨコの出る年。
──ねえねえ、「サヨコ」って知ってる?
近年目覚ましい活躍を見せるミステリ・ファンタジー系 エンターテイメントの実力派、恩田陸さんの「伝説の」デヴュー作品です。 少女マンガばりの造形と設定の登場人物、 シャープな洞察と気の効いた会話、 外界から孤立した場の生み出す特別な力、 後の恩田作品でお馴染みのエッセンスが みんなこの作品の中に見られますが、 やはり白眉は学園祭の「演劇」の場面の臨場感、 これはなるほど「伝説」ですね、 「伝説」の生まれる瞬間に居合わせる畏怖と昂揚。 小説の顛末よりなにより(笑)、恩田作品の真骨頂 「秘められた物語への期待感」が一作目から全開です。
埃っぽい日々の生活に疲れた方々、気分転換に ちょっと怖そうで実は清々しい学園生活を 再び楽しんでみてはいかがでしょう?(ナルシア)
『六番目の小夜子』 著者:恩田陸 / 出版社:新潮文庫
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管理者:お天気猫や
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