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華麗にして残酷なお伽噺めいたミステリで名高い 服部まゆみさんの今回のお話は。
年若い王子は、彼の実の父である前国王を暗殺し 王位と王妃を奪った叔父に復讐しようとしますが──
なんだか聞いた事がある? それはそうです、これはこういうお話を上演する劇団が舞台。 主人公は英国籍を持つ日本人、高名なシェイクスピア劇演出家。 彼は日本の劇団のこけら落としの公演で 『ハムレット』を演出するために日本に招かれます。 しかし、彼が心に秘めた目的はかって彼と母を捨てた 実の父親である歌舞伎役者を殺して復讐を果たす事。 果たして彼は公演までの舞台稽古の間に 目的を果たす事ができるのか?
復讐心に燃えながらも舞台そのものにも 引き込まれていく演出家の語りと、 もう一方で心ならずも大役ハムレットをあてられて 呆然としながらも成長していく青年との交互の語りで、 旧くて新しい『ハムレット』が意外にも爽やかに 私達の前で演じられます。 主要な役者陣が歌舞伎界からの参加という設定も 字義通り──舞台に華を添えています。
『ハムレット』そのものを知らなくても サスペンスは楽しめるとはいうものの、 やはり知って読むほうがはるかに場面が良く分るし、 何と言っても登場人物達の演劇談義が 具体的に楽しめるので、機会がありましたら 本家の方も御覧下さい。(ナルシア)
『ハムレット狂詩曲(ラプソディー)』 著者:服部まゆみ / 出版社:光文社文庫
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管理者:お天気猫や
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