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   オイシイ話
   2004年06月27日(日)


あのですね。

深夜の病院で当直などやっていると、色々とありえない話に出くわす事もあるワケなんですよ。



当日亡くなった方と、たった今緊急入院になった方が同姓同名。
>些細な偶然ですが、混乱を招く原因ですね。

あまりの混雑のためにやむなく発生する待ち時間のあいだに、風邪症状が消失。
>良かったのか、悪かったのか・・・

1時間前に施錠したはずの扉が開いている。
>正直、これはマズイです。

トイレの”とある個室”が、3時間前からずっと使用中。
>別人って事もありますんで、声をかけるのもためらってしまいますが・・・万が一ってケースもありますし。



こんな(普通ありえない)話が一挙に押し寄せつつある現在(当直中)、20代の頃の記憶がふいに蘇って来ました。





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20代前半の一時期、埼玉県の川口という所で一人暮らしをしていた事があったんですけど。

ちょうど今頃の季節、先輩等と川口の駅前で飲んでいたわけです。

梅雨の切れ間のビヤホールで飲む生ビールや、各種ウインナーに舌鼓を打ちながらの一時は、今思い出しても爽快でしたね。

いくらでも飲めますし、いくらでも食べられます。

「無尽蔵に入る胃袋を持っていた俺達」「無尽蔵に入る胃袋を満たすだけの小遣い」は持っていなかったわけで、程よい時間でお開きになったわけです。

当時地元だった俺は、浦和に住む先輩と赤羽に住む友人を見送るために京浜東北線のホームまで歩いていたのですが、途中見知らぬおばさんに声を掛けられました。



お兄ちゃん達、ちょっと遊んでいかない?

今、若い娘達が西川口で飲んでるんだけど。




とか言うわけです。



いくら20代前半の若造とは言え、そんな話に乗ったらダメなんですよ。

そんな話にいちいち興味を示していたら、身ぐるみ剥がされてとんでもない目に遭っちゃうんですよ。

こんな所で人生の教訓を得る必要は無いんです。

そんな経験をするために福島から川口にやって来たわけじゃないんですから。



なので当然、無視ですよ。

俺達が一番関わってはいけない系の人ですし、もしもしつこく付き纏って来るようなら鉄拳制裁も辞さない覚悟は出来ていたんです。


こちらは、20代の酔っ払いですから。


スタスタと歩く俺達。

しつこく付き纏ってくるおばさん。



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あんまりうるさいので振り返ってみれば。



 先輩:「本当に若いのぉ〜?  可愛いくなかったら怒っちゃうかもよ〜」
 友人:「ボク等、あんまりお金無いけど大丈夫ぅ〜??」



って、すっかり乗り気だったんですけど(笑)



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結局俺達3人とおばさんは、京浜東北線で一駅先の西川口まで一緒に行ってしまいました。


まぁ、ホームで歩きながら話している先輩と友人を強引に発車間際の電車に押し込め、おばさん一人を西川口のホームに取り残し逃走に成功したわけです。





今思えば、なんて事無いちょっとした冒険ですね。













何故に、そんな昔の話が蘇って来たかと言うと。


「あの時」一緒にいた友人から電話が掛かって来たんですよ。

「ちょっと熱っぽいから、お前んとこ行ってもいい?」 って。







「ダメ! 頭でも冷やして寝てなさい!」 って、言ってやりましたよ。

なにせ、当直やってる俺が熱っぽかったもんで。








ところで、オイシイ話なんてそうそう転がってるわけないって事覚えたのかなぁ〜アイツ。








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