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   野球というスポーツは人生そのものだ
   2003年10月06日(月)


一つの時代を作った男がいる。

彼は常に偉大な先輩と比較され続けてきた、あまり日当たりの良

くないメインストリートを駆け抜けたヒーローである。

彼は昨年、強大な戦力を操り新人監督ながら「日本一」という栄冠

を掴み取った。


男の名を原辰徳という。





偉大な記録を作った男がいる。

彼は小さな体を苛め抜く事で名門チームのレギュラーを勝ち取っ

た。

彼は「犠打」という、おそらく野球で最も地味な一番割に合わない

仕事のプロフェッショナルしとて生き抜いてきた。


男の名前を川相昌弘という。





二人は「優勝」という共通の目標を掲げ、巨大な船に乗り込み大き

な海に船出した。


一方は、偉大な先輩が成し遂げた「V9」を越えるための2年目の
シーズンとして。


もう一方は、自分が犠牲になり続けた輝かしい記録とともに現役生
活にピリオドを打つために。







しかし、一度狂った歯車は元に戻ることは無かった。


一度歯車の狂った組織ほど脆いものも無い。


選手個々人の力が、憖強かっただけに歯がゆい思いが強かった。




監督は、ずっと思っていただろう・・・いつか歯車がかみ合えばライ
バルに追いつくはずだ、と。


職人は、ずっと思っていただろう・・・俺は俺の仕事をするしかない
もっと犠牲になれれば、と。





結局、無残な半年間だった。




監督は、敗戦が決まった時点で圧力に屈してしまった。

目の前の夢と、先に見ていた大きな希望をあっさりと奪われてしま
った。



職人は、決まりかけていた再就職先を捨ててしまった。

現役に固執した彼は、最終戦を待たずにクビを告げられてしまっ
た。






結局、勝負とは残酷なものである。

負ければ全てを失ってしまうかもしれない程、残酷なものである。



そのかわり勝利した者は全てを手に入れることが出来る。

そんな世界に生きる彼等の生き方を感傷的に思うこと自体が、

ナンセンスなのかもしれない。




が、しかし。

ファンとは暖かいものである。

せめて春、希望に満ちて船出した戦士たちの去就は最終戦が終

わってからにして欲しかった。



勝負の世界に生きるアスリートとはいえ、所詮は組織の一員であ

り上司の命令には背けないものである。




      ◆   ◆   ◆





そんなシビアな世界で生きていない俺もまた、組織の一員である。

一度歯車が狂った組織の脆弱さも、意思に反した命令に従わざる

を得ない事も経験済みである。




だからこそ、今が大事なんだと思う。

だからこそ、時間が貴重なんだと思う。




地球上の生物全てに平等なもの・・・


それが「時間」である。



大切に、そして精一杯生きて行きたいと思う。






      ◆   ◆   ◆





明日、10月7日。

ジャイアンツは、勝者タイガースとの一戦で今シーズンの公式戦全

日程を終了する。


精一杯、全力で戦って欲しいと思う。








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