同僚が「これから4年間は、私の給料は右から左へよ。何があっても仕事を辞められないわ」と半分嬉しそうな、そして、そのまた半分は困ったような顔で話していました。
お嬢さんが大学へ進学し、親元離れて一人暮らしを始めたので、その仕送りで、何が何でも4年間は自分は仕事を辞められないのだそうです。
高校時代は塾代で、大学合格が決まれば入学金と新生活を始めるにあたっての諸費用、そして、今月から4年間は、毎月、ご主人の給料が生活費で、自分の給料はそっくりお嬢さんの生活費に当てられるのだとか。
そして、やっと大学を出たと思ったら、今度はお嬢さんは結婚適齢期。
「いつまで経っても、仕事を辞められないわ」と半分ぼやきにも聞こえるようなそれでいて、妙に実感溢れることばを吐いていました。
お友達の掲示板で「先行投資」という言葉を見かけました。
でも、投資が「利益を得る目的で、事業・不動産・証券などに資金を投下すること(大辞林)」という意味だとしたら、「利益を得る」のを目的として自分の子供に投資をしたとしたら、もし、利益が上がらなかった場合のショックは計り知れないと思うのです。
ここはきっぱり、親の子供への出費は、利益を度外視した「無償の愛」と割り切って対応すれば、利益が得られなかった場合でも落ち込むことが少なくて済むと思うのですがいかがでしょうか。
私の周りを見ても、大学進学で家を出たきり、そのまま彼の地で就職、結婚し、とうとう実家には戻らず仕舞いという人が大勢居ます。
そんな時でも悲しい思いをしなくて済むように、今から「子供にお金を掛けるのは決して投資ではない。無償の愛だ。」と心積もりをしておくというのも、私も含め、親の心構えとして必要なことではないでしょうか。