桜桃日記 ami
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2005年02月13日(日) 不倫の思い出


昨日、不倫について少し書いたら、すっかり忘れていた不倫のことを思い出したので書いてみようと思います。もうはるか昔、まだ二十代前半のうら若き乙女(?)だったころのお話です。
不倫の思い出、と言ってもそれは自分自身のことでは有りません。親友Tの話です。T子と私は会社の同僚でした。私と同い年のT子は当時、同じ総務部の妻子持ちの男性Yと付き合っていました。彼とT子は双方がまだ独身時代からの付き合いだったのですが、彼の二股交際の末、T子は妻の座を得られなかったのです。世間でいう「捨てられた」ということでしょうか。
彼がどうして奥さんの方を選んだのかは、実際に彼の口から聞いた事が無いので本当のことは知りません。ただ、T子からは「彼が、奥さんにはめられた」と聞かされていました。
私から見ると、Yはそれはひどい男でした。結婚した後もT子と決して切れることは無く、交際を続けました。勿論、大人の関係を続けたわけです。その時点で、T子はYが妻帯者で有ると知りながら交際を続けたわけですから、YだけでなくT子も共犯者です。
けれど、Yが良くないと思うのは、他の女性と結婚してしまったののなら潔く家庭に納まればいいものを、わざわざYから誘うところです。女心として好きな男から誘われたら、たとえ相手が結婚してしまっても拒否をするのは難しいでしょう。
T子は当時門限が夜の8時でしたので、ラブホに行って事を済ませてもきちんと門限までには帰宅していました。なので最初はT子も親に気付かれることも無ければYの方も奥さんに気付かれることもありませんでした。
そんなYのだらしの無いところは、避妊をしないところです。快感が薄れるとのことで、コンドームの装着を嫌いT子を妊娠させました。勿論、T子は私生児を産めるはずも無く、T子は堕胎しました。その間に彼の妻は妊娠、出産を経験しました。彼は妻子持ちになったのです。それでも、まだ二人の仲は切れませんでした。
そのうち、職場にも二人の仲が知れることとなり、彼は上司に呼ばれ、再三、仲を精算するように注意を受けることになりました。それでも、二人の仲は切れませんでした。
ある日、T子から泣きながら電話が入りました。
「ヨッちゃんが、私に逢いたいって連絡してきて、ラブホに行ってたんだけど、ヨッちゃんの奥さん、今、妊娠して実家に帰ってるんだって。ヨッちゃん、できないから、私を誘ったみたい。私に逢いたいからじゃなくて、したいから誘ったみたい。」
それを聞いても、私は正直「まぁ、そんなところだろう」と内心思いました。元々、二股交際の負け組みです。「都合のいい女」されているのです。でも、彼女にはそこまでは言えませんでした。「いい加減、付き合いは止めた方がいいんじゃない。」と言うのがやっとでした。


彼女は程なくして、娘の困った状態を知った親の勧めで他の男と見合いをし、1ヶ月の交際後婚約しました。そして、結婚式の2週間前に、再びYの子供を妊娠している事が分かりました。妊娠4ヶ月。医者に「堕胎できるぎりぎりの大きさだ」と言われたそうです。
彼女の2度目の堕胎はYの奥さんにも知れることとなり、奥さんからは
あなたは体が傷ついたのかも知れないけれど、私は心が傷付いたのよ」と、もっともらしいことを言われたそうです。
「女はいつもそう。亭主を責める前に、相手の女を責める。sexは一人でできるもんじゃないのに。T子だって体だけでなく、心も傷ついてる。苦しいのは奥さんだけじゃない。」当時、独身だった私は、奥さんの気持ちにはなれませんでした。
親友のT子はYを忘れるために、好きでもない男と結婚しました。
愛情の無い夫婦生活で3人の子供をもうけましたが、その間、Yとの付き合いも継続していました。
彼女が夫を選んだ理由のひとつが血液型でした。
「自分がA型、夫がB型、どんな血液型の子供が生まれても怪しまれない。今度こそ、好きなYの子供が産める。」
けれど、彼女の願いむなしく、それから一度もYの子供を授かることは有りませんでした。生まれてきた3人ともが夫の子供だそうです。
愛情の無い生活を送り続けたT子夫妻は、結婚20年でその生活にピリオドを打ち、T子は3人の子供を引き取り離婚しました。Yとの仲は今でも継続中、それでも決して離婚しようとしないYとその奥さん。





当人たちの気持ちは、当人でないと分かりません。私には到底理解できない世界。
友達だからと言って忠告なんてとんでもない。どろどろの摩訶不思議な世界。









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