この話は、私が高校生時代の英語担当教師から直接聞いた話ですので、ほぼ、ノンフィクションです。
その先生の名前は平野(仮名)、通称「ビースト(野獣)」、どこからどう見ても、もてない男代表のような容姿。
その中でも一番目に付くのが、異様に出た前歯、いわゆる出っ歯だった。
そのせいで、英語の教員であるにも関わらず私達生徒は彼の「TH」の発音を聞いたことが無い。
英語ど素人の私達生徒が聞いても、それはひどい発音だった。
ジッス イッズ ア ペン
ザット イズ ア ブック
まるでこんな感じのカタカナを聞いているようだった。
そんな、彼が職員室で同僚と賭けをした。
職員室切っての夏火鉢(誰も手を出さない)A子先生を、どちらが先にお茶に誘えるか。
賭けの勝者は敗者に酒をおごる約束で、男の勝負は始まった。
そのA子先生は職員室でも有名な、いくら誘ってもOKしない堅物女。
もちろん容姿も服装も色気もそっけもない女版ビーストだった。
で、じゃんけんをして勝ったビーストの同僚が先にA子誘ったが噂通り、きっぱり断られた。
周りは、そんなA子先生のことを『お高くとまるほどの玉でも無いくせに』などと陰口を叩いた。
さて、次はいよいよビーストの出番。
「A子先生、良かったら帰りにお茶でもどうですか?」
すると、意外なことに、いとも簡単にOKが出て、かえってビースト拍子抜け。
次の日、ビースト先生が、しっかり同僚の先生からお酒をご馳走になったのは言うまでも無い。
だが、話はそこで終わらなかった。
そんな、賭けをしたことさえ、忘れ去っていたある朝、ビーストが職員室の自分の引き出しを開けたら、見知らぬ物体が入っていた。ビーストは思わず声を張り上げた。
だれだぁ〜。人の引き出しに物を入れとるのは
間違っとるぞ〜。これ、俺の机だぞ〜。
そう叫びながら、引き出しに入っていた物を、高々と掲げたのだが、とうとう誰も名乗りをあげなかったらしい。
そこで、気付けよ。ビースト。
さすが、もてない男代表。
授業も終わって、帰宅時間になったら、A子先生が小走りにビーストに駆け寄り、真っ赤に頬を染めながらに耳打ちした。
先生、それ、私からのバレンタインのプレゼント。
手編みのマフラーです。(*ё_ё*)きゅん・・
ビーストがしまったΣ( ̄ロ ̄lll) ガビーン
と思っても後の祭り。
後は真綿で首を絞められるがごとく、トントン拍子で結婚が決まったと言うことです。
いや〜めでたし、めでたし(:.;゜;▽;゜;.:)アハ…♪
皆さんも選んで人を誘いましょうね。
それが、人生の選択になるかも知れないのですから・・。
あの時生まれた、「七江」ちゃんも今じゃ、三十路になってるんだね。
早いなぁ、年を取るのは・・。
そうそう、あのビースト夫妻、姓名判断で、「平野」に合う画数、
上が2文字で下が6文字と聞き、2文字は「七」か「八」、6文字は「江」って全く意味無く画数だけで「七江」を選んだらしいですよ。
いや〜、そこまで画数にこだわらなくても意味を考えて方がいいんじゃないかと思うのは、他人のおせっかいでしょうか・・。
何はともあれ、
「割れ鍋に、綴じ蓋」あれ、表現がちょっと悪いですね。
「たて喰う虫も好き好き」これでもない、
「適材、適所」・・ちょっと違う。
「類は、友を呼ぶ」これで、どう?(*^^)v