桜桃日記 ami
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2003年12月16日(火) 本当はとっても怖い『小公女』のお話。



先日幼い頃の思い出の日記を書いていたら、またひとつ幼い頃のことを思い出した。
私は小さい頃から、外で遊ぶよりも家でじっとしている方が好きな子だった。特に小学校に上がってからは、家の隅の壁にもたれて本を読むのが好きだった。

小学生の頃のお気に入りは、『小公女』。  昭和39年発行 
少年少女世界の名作文学
定価480円 監修 川端康成 他
(アニメとは若干話が異なっているらしい・・)

お金持ちのお嬢様が父親の事業の失敗で一文無しになり、ひどいいじめを受けながらも強く誇りを失わずに生きていたら、やがてその苦労が報われ元のお金持ちに戻ることのできた心温まるお話・・・だと信じていた。

けれども、大人になってから読み返してみて「なんか変!」と思うようになって来た。
まず、最初から、ロンドンの寄宿舎に入れられたセーラの着ている服が高級品だからセーラが他の子供よりも優れているかのような人物の描き方が鼻持ちならない。
父親が寄宿舎の院長ミンチン先生に「この子は決して、無駄なものを欲しがるような子ではありません。この子の欲しがるものは何でも買ってやってください」とお願いしているのだが、たかだか11歳の子供にそこまで分別があるのか疑問だし・・。
激しい人種差別も平気で描かれている。
そして、ラストはやっぱりお金持ちは偉い。という終わり方。

なんか変だぞ。
どうせなら、「子供の頃は苦労して召使生活を送ったけれども、自分で努力して勉強して立身出世した。」というような話にして欲しかったな。
結局は最後まで、他力本願。
小さい頃は、親がお金持ちのお陰で裕福な生活ができた。
1時辛い時期もあったが、やがて父との共同出資者に発見されまた元の金持ちに戻った。そして、その続きは描かれてはいないけれども、推測するに、「お金持ちの彼に見初められ、一生お金持ちで過ごしました。めでたし、めでたし」で終わるのではなかろうか。

子供の頃憧れていたお話も大人になってから読み返すと妙に怖い話だったりする。
気付かないうちに、金持崇拝や人種差別を植え込まれていたのか・・。





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