昨日の記事に、「下敷きで(ゴミを)削り取った」と書いた。 その「削り取った」といういう言葉だが、最初ぼくは「こさいだ」という言葉を選んだ。 しかし何か引っかかる。 「もしかしてこの『こさぐ』は方言か?」 そう思い、ネットで調べてみると、やはりこれは方言だった。 「じゃあ、『こさぐ』の標準語は何?」と、これも調べてみた。 それで「削り取る」という言葉に行き当たったわけだ。 それが標準語であっても、滅多に使わない言葉はすぐに出てこないものだ。
ブログを始めて、こういう方言によくぶち当たる。 人から指摘されたり、自分で調べたりして、「えっ、そうやったんか」と何度も自分の無知を恥じたものだ。 このブログで言えば、『ギリギリ(頭のつむじ)』『ビビンコ(肩車)』という言葉も方言だった。
一番ビックリしたのは、「なおす」だった。 他の地方では、『片付ける』ことを『なおす』と言わないらしい。 『片付ける』『しまう』が標準語だそうだ。
逆にぼくの東京の友だちなんかは、『かったるい』だとか『とっぽい』だとかいう言葉をよく遣う。 彼はそれを標準語だと思っているらしいが、それは方言である。
また方言ではないが、その地方特有の言い回しというものもある。 東京にいた頃、新宿小田急デパートの屋上で、友人たちと食事をとったことがある。 その時にウエイトレスが「ご注文は?」と言うので、「腹の太るもの下さい」と言った。 ウエイトレスは「えっ?」と言った。 周りにいた友人たちも「えっ?」という顔をしていた。 『腹の太るもの』というのは『お腹いっぱいになるもの』という意味で、ぼくの住む地区でよく使われる言い回しである。
博多では、『すごくビックリした』ということを『ちかっぱビックリ』と言うらしい。 『ちかっぱ』とは『力いっぱい』の略で、正式には『力いっぱいビックリ』となるのだが、これも言い回しである。 ちなみに、北九州では『ものすごビックリした』と言う。 『ものすご』は『ものすごく』の略。 さらに、ぼくの住む八幡西区では『でたんビックリした』と言うが、『でたん』は『でたらめ』の略である。 同じ県でも、これだけ言い方が違うのだから、こういう言葉が東京などで通じるわけはない。
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