夏の名残 むかしは、9月になってからも暑い日が続いたりすると、嬉しい気持ちになったものだ。 秋という寂しい気分から逃げたかったこともあるし、衣装ケースから長袖を出す面倒を先送りしたかったということもある。 とにかく大好きな夏の名残を、いつまでもとどめてもらいたかったのだ。
ところが、今年は違う。 8月にさんざん暑い思いをしているので、もういいから早く涼しくなってくれと願っている。 今日みたいに暑くなると、とくにその思いは強くなってくる。
姪は干物2 昨夜、用があって嫁ブーの実家に行った。 そこには例の干物女、姪も来ていた。 ぼくたちが着いた頃には、当然のように寝ていた。 そして食事をする頃、においを嗅ぎつけて起きてきた。 昨夜はすき焼きだったが、干物女は肉ばかり食べていた。
さて、話はジャージのことになった。 「N美ちゃん、ネットで三本線のジャージ探したんやけど、アディダスの上等なヤツしかないんよね」 「それでいいよ」 「いや、それじゃイメージと合わん」 「どんなイメージなんね?」 「貧乏臭い伸びたジャージ。おれの中学のときのジャージがあったなあ…」 「そんなのもらったって着らんよ」 「えっ、それは困った。イメージピッタリのに」
「それよりも日本酒がいい」 「日本酒好きなん?」 「うん、大好き」 「じゃあ今度、おいしい日本酒を飲ませてやろう」 「それでお願いします」 ということで、ヒロミと飲む時にでも誘ってやることにした。
|