頑張る40代!plus

2007年09月09日(日) 緊張(1)

かつてぼくは、すべての場面で緊張していた。
学生時代、授業中に先生から「はい、しんた君、次読んで」などと言われるともうだめで、腹は痛くなるし、心臓が口から飛び出てくるような感じがして、うまく読むことが出来ない。
柔道の試合では、緊張のあまりに体が動かず、それでしばしば負けていた。
また野球の試合では、好きに打っているうちはよかったが、コーチからバントのサインが出ると、とたんに緊張してしまい、失敗していた。

社会人になってもそれは治らず、少人数で行ったカラオケでは緊張のあまり腹が痛くなり、その場に座り込んだこともある。
ぼくの人生は、そういう経験の重なりで成り立っているために、自分は緊張負けするタイプで、本番に弱い人間なのだと勝手に思っていた。

フォークリフトは、運転免許の本検のように、講習最終日に実技の試験がある。
そのため、ぼくはかなりの緊張を予想していた。
ところが、本番ではそれがなかった。
いや、あったものの、よくスポーツ選手とかが言っている「いい緊張」といった類のもので、その緊張が妙に心地よい。
そのおかげで、ガチガチにもならず、だらけもせず、本番を終えることが出来たのだった。

何でそういうふうにうまくいったのかというと、考え方を変えたせいだと思う。
これまでは緊張を、自分だけを狙い撃ちしてくる魔物のように思い込んでいたのだが、どんな人でも緊張するのだというのが、今回のフォークリフトの講習でよくわかったのだ。

何人かの経験者がこの講習を受けていたが、初日は全員まったくと言っていいほど様にならなかった。
なぜかというと、「経験者だからうまくやらないと」という思いが、プレッシャーになり、それが緊張に変わったからだと思う。
それを見てぼくは、「やはり緊張しているのは自分だけではない。こういうベテランだって緊張するんだ」と思ったのだ。
そしてそう思ったことで、心が軽くなったわけだ。


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