昨日、嫁ブーが「ねえ、アメリカに電話したいんやけど、かけていい?」と聞いてきた。 「アメリカ?」 「うん。A代おばちゃんのところ」 Aおばちゃんというのは嫁ブーの親戚で、現在アメリカに住んでいる。 「ああ、いいよ。別に断らんでいいやないか」 「アメリカまでやけ、電話代がかかると思ったけ…」 「いや、それほどかからんと思うぞ」 「だってうちの実家はKDDIでかけよるんやけど、けっこうかかるみたいよ」 「大丈夫っちゃ。うちはIP電話やけ」 「IP電話って国際電話かけられると?」 「もちろん」 「でも、国内よりは高いんやろ?」 「確かアメリカなら国内にかけるよりも安かった。…と思う」
そう言った後、心配になったぼくは、プロバイダの料金表で確認してみた。 「おい、やっぱり安いみたいぞ」 「本当?」 「…えっ?ちょっと待て。おかしい…」 プロバイダの料金表の見方がよくわからない。 一方は安くなっているのだが、もう一方の記述では少し高い。 「わけわからん。まあ、とりあえずかけてみ」
ということで、KDDIではなく、IP電話経由でかけさせることにした。 嫁ブーの電話は「ハロー」から始まり、いろいろ近況報告をした後、「じゃあ、またね」で終わった。 その間、10分ほどだった。 電話をかけ終えた嫁ブーは、すかさず「いくらやった?」とぼくに聞いた。 「ちょっと待って」
IP電話のいいところは、安価な通話料はもちろんだが、その通話料をパソコンで確認できることにある。 さっそくぼくはパソコンを開いて、通話料を確認した。 だが、その国際電話の料金は出てなかった。 おかしいなと思って、説明書きを読んでみると、通話後2時間経たないと新しいデータは出てこないらしい。
「あー、だめ。2時間後しかデータが出らんらしい」 「そうなん。じゃあ2時間後、また調べてね」 「おう」 とは言ったものの、2時間後、ぼくはすでに寝ていた。 朝起きてすぐにそのことを思い出したのだが、若干寝坊してしまったため、パソコンを開く暇もなく出勤した。 仕事中も、そのことが気になっていたのだった。
さて、家に帰ってから、さっそくパソコンを開いてみると、そこには4月に入ってからのデータが並べてあった。 その下の方に、他のデータより一桁多い電話料金が書いてあった。 電話番号を確認してみると、それが昨日の国際電話の料金だった。 ぼくはすぐさま嫁ブーに報告した。 「おい、わかったぞ」 「ああ、昨日の電話料金?」 「おう」 「いくらやった?」 「他の電話料より、一桁多いぞ」 「えっ…、いくら?」 「聞いて驚くなよ」 「‥‥」 「10分16秒かけて、21円50銭やった」 「えー、そんなに安いと?」 「おう。さすがIP電話やの」 ということで、IP電話の安さを再認識した一日であった。
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