2005年12月13日(火) |
よかったらぼくと踊りませんか |
『よかったらぼくと踊りませんか』
よかったらぼくと踊りませんか もうクリスマスがそこまでやってきて 本当にぼくは淋しいんです だからね、踊ってくれませんか
よかったらぼくと踊りませんか 旅に出る前のほんのひととき 外では雪が降っているんですよ 風も凍るように冷たいんですよ
よかったらぼくと踊りませんか あなたの好みで踊りましょう 過去を忘れて踊りましょう さあ、音楽を始めて
よかったらぼくと踊りませんか 疲れるまで踊ってちょっと一息 ぼくはタバコをふかします あなたはワインを飲んでください
よかったらぼくと踊りませんか たぶん今日はあなたを夢見るでしょう そしてあなたは…、野暮ですね さあ、踊りましょう
よかったらぼくと踊りませんか 雪のクリスマスを踊り明かすのです 今日はぼくの幸せ、夢の心地 ほら、聖書にも雪が積もります
ここ最近、ずっとこの歌を歌いながら会社を往き来している。 これも古い歌で、20歳の冬に作った歌だ。 運送会社でアルバイトをやっていた頃だから、12月ということになる。 あの頃も寒かった。 浪人という境遇が、さらに寒さに輪をかけたのだ。
しかし、今年の12月も寒い。 ここ数年、12月に雪が降ることはあまりなかったのだが、今年は先週の初雪以来、何度か降雪している。 一つの寒波が去っても、すぐに次の寒波がやってくるのだ。 そのため、雪が降ってない時にも、風のにおいに雪を感じる。
しかし、ここまで寒いと、本当に寒い来月が思いやられてしまう。 今年の1月は車で通勤できないほどの積雪はなかったが、この状況でいけば、何度が雪のために車で通勤が出来なくなってしまう。 そうなると、嫌でも公共のJR通勤をしなければならなくなる。 これが憂鬱である。 JR通勤のどこが憂鬱なのかというと、あの時間待ちである。 いや、電車を待つことが嫌なのではない。 連結するバスを待つのが嫌なのだ。
ぼくの学生時代は、今よりはずっと寒かった。 そういう寒さの中、風の舞うビルの前で、いつもぼくはバスを待っていた。 コートやジャンバーを着る習慣がなく、ただ学生服の下にセーターを一枚重ねて着ていただけだった。 まあ上半身のほうはそれでも何とかしのげたのだが、応えたのは下半身のほうだった。 何せ、薄い学生ズボン一枚である。 シャレでズボン下をはいていた時期もあるが、男を捨ててなかったぼくは、ズボン下をはくことを執拗に拒んだ。 それに加えて、その当時のぼくは変な美学を持っていた。 それは靴下をはかないことだ。 そのため、寒さの感じ方が尋常ではなかった。
そういう寒い思いを嫌と言うほどしてきたため、寒い日にはその思い出がつい蘇ってしまう。 ただでさえ寒いのに、その思い出が、さらに寒さを助長する。 しかも帰るのは、学生時代の時のように夕方ではなく、夜なのである。 さらに、学生時代に一時的に寒さをしのいだ本屋は、すでになくなってしまっている。 開いているのは飲食店かパチンコ屋だけだ。 そういうところで時間をつぶすのは嫌だから、寒い中をただひたすらバスを待っているだけになるだろう。
ああ、1月が来るのが憂鬱である。 バスを待つ間、誰か踊ってくれませんかねえ。
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