2005年11月08日(火) |
ヒロミちゃんと飲みに行く(3) |
飲み始めて1時間ほど経ってから、予約を入れてくれた中リンを呼んだ。 中リンは小倉からの帰りだったらしく、よそ行きの服装をしていた。 店に入ってきた時、ぼくはその格好を見てびっくりした。 何とマフラーをしている。 そこでぼくは、「中リンは寒いんか?」と聞いてみた。 「えっ? 寒くないですよ」 「じゃあ、のどが弱いんか?」 「あ、これですか。これ流行なんですよ」 「‥‥」 いくら流行とはいえ、TPOというものが…、若い子はよくわからない。
その後ヒロミは、中リンよりさらに若い、娘Mリンを呼んだ。 Mリンも小倉からの帰りで、何でも小倉でダンスを習っているらしい。 ヒロミは、Mリンが来たはなは母親らしく振る舞っていたが、ぼくたちの前だったので気がゆるんだのか、つい本性を現してしまった。 Mリンが来てからも、ヒロミは取れた差し歯を口の中に入れていたのだが、時々面白がってそれをぼくや嫁ブーに見せるのだ。 それを見つけたMリンは、「ママ、汚いけやめて!」と言って、ヒロミを叱った。 「だって、なおす(しまう)ところがないんよ」 「バッグにでも入れとったらいいやん」 「あ、そうやね。バッグに入れとったらいいね」 ヒロミは、ようやく差し歯を口の中から取り出し、中に入れていた。 どちらが母親かわからない。
それからしばらくして、今度は中リンの彼氏が登場した。 ぼくは彼氏を最初見た時から、誰かに似ていると思っていたのだが、それが誰だか思い出せなかった。 翌日中リンに、「彼氏、誰かに似とるとか言われん?」と聞いてみると、「Mr.ビーンに似てるって言われるけど」と言う。 いや、違う。 確かに似てはいるが、Mr.ビーンでは、ぼくの思ったイメージとは少し違うのだ。 それがようやくわかったのは、3日後のことだった。 午後9時過ぎだったか、ヒロミからメールが届いた。 そこには、『“危険なアネキ”見て。Mリンが、中リンの彼氏に似とる人が出てるって』と書いてあった。 さっそくテレビをつけてみると、そこに中リンの彼氏がいた。 森山未来である。 さっそく、そのことを中リンにメールした。 中リンからも『あ〜、似てますね!!』という返事が来た。
さて、最終的に6人になった飲み会は、11時半でお開きとなった。 終電の時間が迫ってきたからだ。 その終電を逃すと、タクシーで帰らなければならなくなる。 夜間ということもあって、家までは一万円近くかかるだろう。 ということで、ぼくたち夫婦とヒロミ親子は、急いで駅まで行った。 その間もヒロミは、「歯がない」と言って騒いでいた。 「ママ、ちゃんとバッグに入れたんね?」 相変わらずヒロミは、Mリンから叱られていた。
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