昨日、歯医者に行った後、嫁ブーと二人で近くのホームセンターに行った。 当初は、車に乗って街まで出かけるつもりでいたのだが、ガソリンが少なくなっていたのと、お金がそれほどなかったため、歩いて行ける場所を選んだのだ。 で、ホームセンターに何を買いに行ったのかというと、接着剤である。 何年か前から、机の引き出しの板が剥がれかけていたのが気になっていた。 で、ようやく修理する気になったのだ。 以前、瞬間接着剤を買い置きしていたので、それを使おうと開けてみた。 ところが、中が完全に固まってしまっていたのだ。
最初はコンビニで買おうと思ったのだが、おそらく高いだろう。 そこで、ホームセンターで買うことにしたというのだ。 「おい。そこのホームセンターに行くけど、おまえどうするか?」とぼくが聞くと、「私も行く」と嫁ブーは答えた。 「車で行くんやろ?」 「おまえはアホか。歩いて10分もかからんところに、どうして車で行かないけんとか」 「だって、買い物するんやろ?」 「大きい物を買って帰るんならともかく、接着剤を買って帰るのに、わざわざ車で行くバカがどこにおるんか?」 「そりゃまあそうやけど…」 「もういい。おれ一人で行くけ、おまえは来んでいい」 「いや、行く」
久しぶりのホームセンターである。 何年か前までは、広い駐車場いっぱいに車が駐まっていたのだが、ここ最近はその数も減ったようで、昨日も駐車場は閑散としていた。 これも、近くにイオンが出来たせいだろう。 店の中に入ってみると、ああ、やはり閑散としている。 店内が広いだけに、このギャップは寂しいものがある。 以前は、商品を見て歩くだけでも楽しかった店である。 だが、今は目新しいものが何もなく、昨日は広い店内をうろつくだけでも疲れてしまった。 ここはたまにリニューアルをやっているようだが、ただ「陳列を変えました」だけでは、お客さんは満足しないだろう。 イオンなどの超大型店に対抗するには、もっと斬新な工夫が必要になってくるだろう。 例えばだ…。 うーん、やっぱりやめとこう。 そんなことがわかるくらいなら、うちの店でさっさとやっているわい。
さて、目的の接着剤を買った後、ぼくたちは、再び歩いて書店に行くことにした。 その日の朝刊に、かねてから欲しかった本が出たと書いていたのを思い出したのだ。
M店から書店までは、ゆっくり歩いて15分くらいかかる。 その道は、かつてぼくが小学校に通ったコースである。 当時は、その辺一帯は田んぼだった。 今はというと、宅地になり一面家だらけだ。 その中に、結構豪勢な造りの家が建っていた。 その横を通り過ぎようとした時だった。 「あっ!!」 ぼくは、何十年も忘れていたことを思い出した。 嫁ブーが「どうしたと?」と聞いた。 「この家の建っているところ、昔ドツボがあったんぞ」 「え、そうなん」 「うん、けっこう大きいドツボやった。夏になると臭かったっちゃ」 「ふーん」 「この家に住んどる人は、おそらくそんなこと知らんやろうの」 「そうやろうねえ」 教えてやりたい気もする。
書店に着き、目的の本を買い、ぼくたちは帰途に就いた。 書店から家までも、同じく15分くらいだ。 ということで、計40分歩いたことになる。 距離にすると3〜4キロくらいだろうか。 散歩するにはちょうどいい距離である。 これから、休みの日には、そこを歩くことにしようかなあ。 ドツボの家に、どんな人が住んでいるのかも見てみたいし。
|