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2005年06月23日(木) 頭痛2

前々から、仕事で履いている靴が、何ヶ所かほころんでいるのが気になっていた。
梅雨時期にこんな靴履いていたら、雨が降った時、水が染みてくるだろう。
そこで昨日、うちの店で売っている靴を買うことにした。
うちは専門店ではないので、ブランド品はあまり置いてないのだが、仕事履きになるような安い靴はけっこう揃っている。
安いとはいえデザインもそこそこいいものがある。
ぼくはいつも、その中でも比較的高値の靴を選んでいる。
安い靴だと長持ちしないのだ。
いくつかの候補を選び、履いてみた。
その中に一つだけ目を引く靴があった。
アメリカ製で、履いてみるとゆったりとしていい感じだった。
さっそくそれを買うことにした。

購入後、すぐに今まで履いていた靴を捨て、新しい靴に履き替えた。
いい感じの靴というのは、履いていて実に気持ちがいい。
しばらくその気持ちよさに酔いしれていた。
ところが、1時間経ち2時間経つうちに、だんだん靴が重く感じるようになった。
「おかしいなあ、さっきはこんなじゃなかったのに」
ひもの具合が悪いのかと思い、ひもを何度か調整してみた。
が、相変わらず靴が重い。
そのうち、だんだん足の甲が痛くなってきた。
すでにその頃には頭も痛くなっていた。
もう最悪の状態である。
頭はしかたないにしろ、せめて足だけは何とかしたい。
「古い靴に履き替えよう」
そう思ったぼくは、ゴミ捨て場に、先ほど捨てた古い靴を探しに行った。
ところが、もう遅かった。
すでにゴミは処理された後で、結局そのまま、足痛に耐えることになった。

さて、昨日さんざんな目にあったので、今日は家にあった靴を履いていった。
しかし、その靴も長いこと履いてないので、足になじまないのだ。
どこか窮屈さを感じる。
我慢していれば慣れるだろうとは思ったが、2日続けて足にとらわれるのもいやである。
そこで、「しかたない。もう1足買うか」ということになった。
幸い靴売場には、昨日捨てたものと同じ靴が売っていた。
古くなったので捨てたものの、履きやすさは最高だった。
迷うことなく、ぼくはその靴を買うことにした。

その後、ぼくは足の苦痛から解放された。
夕方、履き物の取引先の人がやってきた。
「昨日はさんざんな目にあったよ」
「どうしたんですか?」
「いやね…」と、ぼくは昨日のことをその人に話した。
「で、どれ選んだんですか?」
「これ」
「えっ、これを選んだんですか?」
「うん」
「これは、登山とかに履く靴じゃないですか」
「えーっ!そんなこと書いてないやん」
「書いてはいませんけど、裏見てください」
見てみると、靴の裏がスパイクのようになっている。

「重かったでしょ?」
「うん」
「ゆっくり歩くのならともかく、こういうのを仕事なんかで履いていると、頭が痛くなったりしますよ」
「頭が痛くなる?」
「ええ、腰から首にかけて負担がかかるんですよ」
「昨日、確かに頭痛がしたけど…」
「でしょう。これが原因ですよ」
「いや、昨日のはクーラー病やったけど」
「じゃあ、ダブルできたんですよ」

それで、昨日はいつまでたっても頭痛が治らなかったのか。
いつまでたっても治らないので、一時は、くも膜下出血にでもなったんじゃないか心配したほどだ。
ま、二日続けて靴を買うという、馬鹿なことをしたものの、頭痛の原因がわかって、ホッとした次第である。


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