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2004年10月21日(木) 台風一過

今年最大の被害をもたらした台風23号だが、こちらではあまり猛威をふるわなかった。
一昨日からあらかじめ空や海の便の欠航を決めたり、学校を休校と決めたりして台風に備えていた。
ところが実際は、暴風雨というよりも、ちょっと強めの雨が降り、それに伴って風が吹いたにすぎなかった。
ぼくは1時間おきに、外の状況を確かめに行っていたのだが、そのたびに「交通機関はともかくも、学校はこの程度の雨風で休みにするんか」と思っていた。

用心に超したことはないが、ぼくたちが学校に通っていた頃には、まず考えられなかったことである。
小学何年の時だったかは忘れたが、一度大雨に見舞われたことがある。
その雨のせいで川が氾濫し、床下浸水の被害に遭った家も何軒かあった。
だが、そういう時でさえ、学校は休みにはならなかった。
大雨の中、長靴を履き、傘をさして学校に行ったものだ。
もっとも、あまりにひどい状況なので、朝礼後に全員下校にはなったが。

あの日、氾濫した川の水を利用して、プラモの潜水艦を浮かべて遊んでいたのを思い出す。
今考えてみると、実に汚い話である。
当時、家の前の川は、ヘドロや工業廃水でひどく汚れていた。
氾濫したのは、そのひどく汚れた水だったのだ。
その中を、ぼくたちは裸足で歩き、潜水艦を浮かべ、その手で鼻くそをほじくったりしていたのだ。
よく病気にならなかったものである。

ただ一つ救われたことがある。
あの頃、ぼくのすむ地域は、どの家もトイレの水洗化がされてなかった。
つまり、どの家も「ぽっとんトイレ」だったわけだ。
もし、床下浸水ではなく、床上浸水だったらどうなっていただろうか?
氾濫した水は、もちろんトイレの中にも浸入する。
そうなると、当然便壺の中の糞尿が溢れ出ることになる。
各家庭のウンチがプカプカと浮いている図など、想像したくもない。
幸い、床下浸水で収まったので、その図が現実になることはなかったのだ。

さて、いつも台風のニュースを見ていて感じることだが、「これは天災ではなく人災だ」と思える事故が数多くある。
テレビやラジオで再三「出歩くな」と呼びかけているにもかかわらず出歩いて被害にあったり、ドアに手や指を挟んで大ケガをしたり、屋根から落ちたり、中には木から落ちた人もいた。
こういうのは、どう考えても人災だろう。
注意すれば、充分防ぐことが出来たはずである。
「出歩くな」と言っているのだから、出歩かなければいい。
ドアが急に閉まったために手や指を挟んだのだろうが、そこに手や指を置いていなければ、そういう被害にも遭わなかっただろう。
屋根瓦が飛ぶからやむを得ず屋根の上に上がったのだろうが、そういう時はちゃんと命綱をつけおくべきである。
最後に木から落ちた人だが、木に登らなければいいのだ。
いったい何のために木に登ったのだろう。
すべてちょっと考えればわかることである。
まあ、人間の冷静さを失わせることが、天災であるのだが。


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