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2004年09月20日(月) 大人

ぼくは、自分が大人だという意識をあまり持っていない。
これは、別にぼくが大人になりきれてないということではない。
ある時期に大人であることを捨てた結果なのだ。
なぜ大人を捨てたかというと、単に疲れるからだ。
過去、大人になろうと背伸びしている後輩を何人も見てきたのだが、彼らは一様に滑稽で、かつ見苦しかった。
そういうのを見て、すでに大人であった自分がむなしく思えるようになったのだ。

大人を捨てた背景には、いちおう思想的なものもある。
上座仏典のひとつである『法句経』がそれである。
この経は、別名『真理の言葉』とも呼ばれている。
そこには自分を律する言葉が、数多く書かれていて、それだけを見るとまさに道徳本なのだ。
だが、その要旨はそこにあるのではない。
『無邪気であれ』ということである。
『無邪気』とは、つまり『子供のように邪気が無い』ということ。
そこをぼくは重く見た。
そこで「じゃあ、子供に帰ってやろうじゃないか」ということになって、大人であることを捨てることにしたのだ。

しかし大人を捨てるというのは難しい。
それまでの人生がすべて大人になるための勉強だったわけだから、そういうものを捨て去るとなれば、かなりの気力が必要となるし、かなりの時間が必要となる。
なぜ気力や時間が必要かと言えば、それまでの教育で、大人というもののをかなり刷り込まれているため、何事も大人の感覚で処理しようとしてしまう。
だから、大人に流されないための気力や、その気力を養うための時間が必要となってくるのだ。
そのため、気持ちの中ではすでに大人はないつもりなのだが、いまだ充分に大人を捨てきれていない部分はある。

さて、大人を捨てようと決めてからしばらくすると、いろいろなバカな大人がいることがわかってきた。
「対面ばかり気にして、自分の足下が見えていないバカ」
「温厚さを売り物にしているのものの、その短気さが顔に出ているバカ」
「人を傷つけまいとして、傷つけているバカ」
「相手に合わせて笑ってはいるが、変に笑顔が引きつっているバカ」
「それほど年をとっているわけでもないのに、妙に年寄り臭いことを言うバカ」
かと思えば、「若者に媚びて、若者の仲間でいようとしているバカ」までいる。
バカ、バカ、バカ、世の中バカのオンパレードだ。
実に不自然なのだ。
しかもこのバカたちは、自分がバカだという自覚がないから始末に負えない。
そのへんを指摘すると、名誉毀損だ、何だと言って、すぐに法に訴えようとするバカ。
こんな大人にはなりたくないものだ。
いや、こんな大人ばかりだから、ぼくは大人を捨てたのだ。


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