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2004年09月13日(月) 水難その3

ところが、そのホースはみな、短かった。
何度も言うようだが、ひさしは高い位置にあるのだ。
そこに短いホースをつけ水を流すということは、雨が降るのと同じことである。
案の定、その水は雨のように降ってきた。
しかも勢いがついているから、地面で跳ね返り、店の中に入ってきた。
おかげで玄関の床はびしょ濡れである。
外にいる部長たちは、そんなこと知ったことではない。
ぼくたちが、浸水した玄関を掃除しながら、「水の向きを変えてくださーい」と言っても、「そんなの無理だー」と言い返してくる。
「店の中に入って来てるんですよー」
「じゃあ、もっと長いホース用意したらー?」
頭に来る。
彼らは、ひさしから水を抜けばそれで終わり、ということなのだろう。

仕方なく、ぼくは売場に走り、売り物の長いホースを用意してきた。
そして、水が出ているホースにつなごうとした。
ところが、径が合わないのか、うまく入らない。
何度やっても同じである。
そこで、水の出ている方のホースの先を強くつまみ、無理矢理売り物のホースの中に突っ込もうとした。
その時、つまんだ先から水が勢いよく出てきて、ぼくの下半身を濡らした。
おかげでズボンと靴の中がびっしょりになってしまった。
しかし、ここでやめるわけにはいかない。
この作業を何度か繰り返した末、ようやくホースをつなぐことが出来た。

垂れ流し状態のホースはそれだけではなかった。
まだやっかいなのがあった。
そのホースは短すぎて、脚立に上らないと手が届かない。
なにせ高い位置にあるものだから、脚立は通常の『A』のままでは届かない。
まっすぐ伸ばし『/』の状態で、壁に立てかけて使わなければらないのだ。
これがフワフワして、気味が悪い。
しかも、ホースをつなぐ時には脚立から手を離さなければならない。
その恐怖心とぼくの持って生まれた不器用さが、次の水難を呼んだ。
延長用のホースを持っていないほうの手で、水の出ているホースを先端をつかもうとしたのだが、暴れているためにうまくつかめない。
そこでホースの中程をつかんだ。
ところがそこをつかんだ瞬間、先端がぼくの方を向いたのだ。
水がぼくの目をめがけて飛んできた。
慌てて下を向いたのだが、そのせいで頭からさんざん水を浴びてしまった。
その後何度も水を浴びながら、四苦八苦してようやくホースをつないだ。
脚立から降りた時には、もう全身びしょぬれになっていた。

さっそく休憩室に行き、タオルで頭を拭いた。
タオルには、無数のゴミがついていた。
汚い水だったのだ。
衣服のほうは、前日のようにエアコンで乾かすことにした。
乾くまでにかなり時間がかかったため、かなり長い時間、鳥肌が立っていた。
問題は靴の中だった。
いちおうドライヤーで乾かしたのだが、充分に乾ききってなかったのだろう。
家に帰って靴を脱いだ時、何とも言えぬにおいがぼくの鼻を突いたのだった。
靴の中は、今も若干の臭いが残っているような気がする。


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