| 2004年05月26日(水) |
マンモスH子、薬局勤まらず |
例のマンモスH子のことである。 とうとう彼女は「私は薬局では勤まりません」と、店長タカシに直訴したのだ。 困った店長タカシは、レジと薬局のパートさんを呼んだ。 まず、レジのパートさんに、「レジに戻したらだめかねえ」と訊いた。 レジの子は、「当番の時に、レジ長と本人のぞうきんだけしか洗わないような意地悪する人はいりません。部門の和が乱れます」と、きっぱり断った。 店長タカシは、同じことを薬局のパートさんに言った。 薬局のパートさんは、「商品を置いてある場所すら覚えることの出来ない人なんていりません」と、これもきっぱり断った。
「商品を置いている場所…」と言ったのは、その数日前にマンモスが起こした事件のことである。 お客さんから「歯磨き粉はどこにありますか?」と訊かれたマンモスは、その場所がわからなかったので、そこにいたパートさんに「あのう、歯磨き粉どこにありますか?」と訊いた。 パートさんは「ああ、歯磨き粉ね。ここにあるよ」と教えた。
それからちょっとして、他のお客さんから「歯磨き粉はどこにありますか?」と訊かれた。 するとマンモスは、またそのパートさんに「あのう、歯磨き粉どこにありますか?」と訊いた。 「ここ」
それから少しして、また他のお客さんから「歯磨き粉はどこにありますか?」と訊かれた。 普通の人なら一回で、よほど物覚えの悪い人でも二回聞いたら覚えるだろう。 ところが、マンモスはそうはいかなかったのだ。 三度、同じようにパートさんに場所を尋ねた。 これにはパートさんも唖然とした。 「ここよ、ここ。さっき教えたでしょ」
これでようやく歯磨き粉の場所を覚えたと思いきや、マンモスはまたやってくれた。 「あのう、歯磨き粉はどこにありますか?」 パートさんはあきれ果てて、何も言わずに歯磨き粉の場所を指さした。
ところがところが、これで終わったわけではない。 その後二度も、歯磨き粉の場所を訊いたというのだ。 それもH先生に。 パートさんからその話を聞いた矢先のことだったので、先生も「こりゃあかん」と思ったらしく、とうとう口を開いた。 「あんた、この売場は合ってないよ。商品のある場所を、何度教えても覚えきらんでは話にならんやろ。店長に言うて、売場を替えてもらいなさい」 その言葉に、マンモスは素直に頷いたという。 そして今回の直訴と相成ったわけだ。
さて、二人に拒否された店長タカシは、困りはててしまい、ついにある決心をした。 今一番問題を抱えている部門があるのだが、そこにマンモスを異動させることにしたのだ。 (数日後につづく)
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