またしてもプレイヤーズ王国のことを書く。 ぼくがプレイヤーズ王国に、歌を登録してから、何人かの方々が掲示板に感想を書き込んでくれた。 その中の3人の方は、ぼくと同じくプレイヤーズ王国で歌を登録している人たち、つまり同志である。 どの人も、現役でライブをやっている人たちばかりで、声の通りといい、説得力のある歌いっぷりといい、かなりぼくの上をいっている。 すでに現役を諦めているぼくは、そういう方々の歌を、感動と羨望と嫉妬の耳で聴いている。 おそらく、その人たちは地元ではかなり名が売れているのだろう。
さて、身近に、ぼくの歌を気に入ってくれている人が何人かいるのだが、そういう人たちから、よく「ライブやれよ」と言われている。 その都度ぼくは、「いつか暇になったらやるよ」と答えている。 しかし、これは逃げ口上である。 実際、ぼくは、ライブをやるような気概を持ち合わせてはいないのだ。 確かに、過去何度かライブハウスに立ったこともあるし、スナックで歌っていたこともある。 結婚式では弾き語りをせがまれ、数百人の前で歌ったこともある。 しかし、その時ライブをやっていたわけではない。 観客を盛り上げたり、惹きつけたりするようなるようなパフォーマンスをやることもなく、ただ淡々と歌をうたっていただけにすぎない。 主催者側からすれば、「これじゃ、金取れんな」という存在であったわけだ。
なぜ、ライブが出来ないのかと言えば、ぼくが極度の『あがり症』であるからだ。 初めて人前で歌った時など、歌っている途中に腹が痛くなって、ステージの上で座り込んでしまったほどだ。 歌うだけで精一杯なのに、パフォーマンスなんてとても出来るものではない。 普段は「口から先に生まれてきたんじゃないか」と言われるほどおしゃべりなのだが、大勢の人の前だと、急に黙り込んでしまう。 だから、昔ミュージシャンを目指していた頃でも、コンサート中心のミュージシャンではなく、ビートルズの後半のような、スタジオで曲作りに励むようなミュージシャンを目指したのだ。
ところが、ここ最近、同志たちの影響からか、ライブをやりたくなっている。 「別にパフォーマンスなんかやらなくても、歌だけで充分だ。わかる人はわかってくれる」とか、「そうか、これだけ日記を書いてきたんだから、別に歌にこだわらなくてもいいんだ。ネタに困らないから、歌だけじゃなく、エッセイを語ってもいいわけだ」というふうに、気持ちが変化してきたのだ。 しかし、気持ちはそちらに傾いたものの、具体的にどうやったらライブが出来るのかわからない。 とりあえず、以前歌っていたスナックにでも行って、もう一度歌ってみるか。 いや、夜の街に繰り出して、酔っぱらい相手に『酒と泪と男と女』でも歌ってみることにするか。 これだと、うまくいけば日銭も稼げるし。 ということで、まず、例の『あがり症』を何とかすることにしよう。
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