頑張る40代!plus

2003年12月28日(日) 人情紙風船

年末だからと言って、「忙しくて、忙しくて」と言うほどは忙しくない。
ほとんど普段と変わらない人出である。
ところが、なぜか気忙しい。
この気忙しさは、年末というムードから来るのかもしれない。
確かに人出は変わらないものの、お客さんの顔ぶれが若干違うのだ。
いつも来ている常連さんに混じって、どう見ても地元の人でないような人がいる。
おそらく、仕事納めと同時に、早々と帰省してきた人たちだろう。

そういえば、「今年は例年と違って、正月用品の売上げが伸びず、お掃除用品の売上げが伸びている」と、日用品の係の人が言っていた。
これも、『あるある大事典』の影響だろう。
ぼくの売場はというと、特に変わったことはない。
いつもと同じ商品が売れている。
日用品コーナーでお掃除用品が売れているからと言って、ぼくの部門で特にクリーナーが売れているわけではない。
まあ、「年末だから」と言うので、電球や蛍光灯の売上げだけは伸びているが。

ところで、毎年この時期になると、まるでこの世の終わりが来るかのように、「あれも、これも」とたくさんの物を買っている人たちを見かける。
そういう人を見るたびに、ぼくは「いったい何を焦っているのだろう?」と思ってしまう。

新しい年が来ると言っても、日が一日明けるだけの話である。
そこに、何か新しいものが待っているわけではない。
そこで待っているのは、昨日までと何ら変らない、いつもの生活なのだ。
朝が来れば、夜に向かって動き始める、ただそれだけの生活を迎えるだけのことなのに、なぜ人は焦るのだろう。
たくさん物を買えば、何か新しいことが始まるとでもいうのだろうか?
きっとそういう人たちは、自分たちが勝手に作り上げた「年末ムード」というものに踊らされている人なのだろう。

さて、今年も残すところ、あと3日である。
例年通り、ぼくは大晦日まで休まない。
なぜか?
それは、年末ムードを盛り上げ、来たお客さんに「あれも、これも」と商品を買わせるためである。


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