頑張る40代!plus

2003年12月21日(日) 宿命(2)

昨日書いたような、おそらくぼくの前世から連綿と続く負の宿命があると思えば、こういった些細な宿命もある。

小学生の頃、誰よりも成長の早い子がいたとしよう。
成長が早ければ、もちろん下の毛も誰よりも早く生えてくる。
それを運悪く同級生に見つかってしまったとする。
おそらく、彼のあだ名は『チ○ゲ』で決まりだろう。
最悪の場合、女子からも「チ○ゲ君」と呼ばれるだろう。

小学生の頃のあだ名というのは、なかなか消えるものではない。
中学に入ってから、周りのみんなが生え揃える頃になっても、彼は相変わらず『チ○ゲ』と呼ばれている。
高校に入ってからも、そこに同じ中学校出身の人間がいた場合、その人は彼のことを「こいつのあだ名は『チ○ゲ』やった」と紹介するだろう。
そうなると、いくら本人が嫌がっても、『チ○ゲ』の呼び名は変らない。

彼の至福の時は、おそらくそれから後の数年だろう。
さすがに大学や社会では、『チ○ゲ』のあだ名を知る人がいないだろうからである。
しかし、何年か経つと、必ず同窓会というものが始まる。
そこに出席すると、「おう、チ○ゲやないか。元気か?」となるのである。
忘れていた記憶が蘇る。
結局彼は、同窓会のメンバーが全員死ぬまで、『チ○ゲ』と呼ばれることだろう。

彼は他人より少し成長が早かっただけである。
しかし、宿命的に見れば、彼が『チ○ゲ』と呼ばれる宿命を背負って生まれたがために、成長が早まったということになる。
宿命というのは、いたずら好きなのかもしれない。


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