頑張る40代!plus

2003年10月27日(月) 日本シリーズ第7戦

ホークスが負ける日は、いつも朝から嫌な気がするのだが、今日はそれがなかった。
朝から何度イメージしても、王監督の胴上げしか浮かばない。
ぼくはそれで今日の優勝を確信したのだが、それでもいろいろな雑念が襲う。
そこで携帯電話の待受け画像を和田投手に換え、一日中必死に拝むことにした。
何せ、「神様、仏様、和田様」なのだから。

その和田投手が、期待通りやってくれた。
1回の表に、今岡にヒットを打たれ、続く赤星のバント処理を誤ったものの、後続をきっちり断ち切ってくれた。
「これで流れが来た」とぼくは思った。
その通りになった。
ノーアウト1,2塁から、またもや不利な判定で井口がアウト。
しかし、その判定が今回はマイナスにならなかった。
選手会長松中の2点タイムリー。
この人が打てば、もう大丈夫である。
あとはバタバタといつものように点を取って、いつものように勝った試合だった。

しかし、終盤6−1だったにもかかわらず、ぼくは落ち着かなかった。
シーズン中、何度かこういう展開で逆転されたことがあったからだ。
会社内で「6−1なら、もう大丈夫やろ」という声が上がったが、シーズン通してホークスの戦いを見てきた人間としては気が気じゃない。
何度も携帯の待受け画面を見つめて、和田を拝んだ。

8回裏に家に着いたぼくは、ドキドキしながらテレビにかじりついていた。
「ここでダメ押し点を入れてくれ」
だが、あいかわらずウィリアムスを打てない。
三者連続三振である。

いよいよ9回表。
珍しく王監督が動かなかった。
シーズン中なら、ここで岡本や篠原を投入する場面である。
ということは、このまま和田で行くということだ。
ここでぼくは、ようやく優勝を確信した。
和田は2アウト後、広沢から一発を浴びたものの、危なげないピッチングで投げきった。

このシリーズは「内弁慶シリーズ」などと言われたが、別に福岡ドームで4戦やったからホークスが優勝出来たわけではない。
2000年のON対決で巨人に負けてから、ずっとホークスは「日本一奪回」を目指してやってきたのだ。
もちろん阪神もそうであったろうが、18年前に悔しい思いをしていない。
そのため、選手の気持ちのどこかに「阪神だから、しかもレベルの高いセリーグの代表だから、日本シリーズに出れば勝てる」という安易な思いがあったのではないだろうか。
しかし、ホークスの場合は違う。
ON対決で悔しい思いをした選手が、ほとんど残っているのだ。
そのため、「日本一」へのこだわりが阪神に比べて強かった。
ここに1勝の差が出たのだろう。

とはいえ、阪神の選手はみんな怖かった。
2000年の巨人軍より怖かった。
誰もが打ちそうな雰囲気を持っていた。
「もし、杉内がシーズン通りに力んでいたら」「もし、第6戦を寺原に投げさせていたら」と思うと、空恐ろしい気がする。
投手陣も、伊良部以外は打てそうな気がしなかった。
ここでも「もし、吉野が先発だったら」「もし、ウィリアムスが先発だったら」と思うと、空恐ろしい気がする。

最後に、広沢の一発。
なぜか、近鉄カズ山本の引退試合の一発とダブって見えたのだが、そう思ったのは、ぼくだけだっただろうか。


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