【胃透し】 予定通り、朝少し早めに起きて出社し、健康診断に行った。
まず受付に行き手続きを取る。 前回までは、そこの係員が「はい、胃透しに行って下さい」と事務的に言ってのだが、今回は「胃透し、どうされますか?」というふうに、言い方が柔らかくなっていた。 もちろん、ぼくは「受けません」と答えた。 前回のように「行って下さい」と言われると思っていたので、それなりの断り文句を準備していた。 前に、「胃カメラ飲みましたから」と言って、「どこの病院でされましたか?」と突っ込まれたことがあったので、今回は便秘作戦で行くことにしていたのだ。 「バリウム飲むと便秘になるんで、受けないようにしています」 人の受け売りであるが、これが案外効果あるらしく、こう言われると係員は何も言えなくなるそうだ。 このセリフをよどみなく言えるように練習をしていたのだが、結局無駄になってしまった。
【体重】 今回は、体重と身長の測定、検尿、視力と聴力の検査、問診、採血、レントゲンと続いた。 昨年の体重測定で、生まれて初めて80キロをオーバーしてしまった。 今回はそのリベンジをもくろんでいた。 1ヶ月前から、食事の制限をして、体重を減らしておいたのだ。 それが功を奏した。 5キロ減の75キロだった。 「努力の甲斐があった」とぼくは内心喜んでいた。 ところが、係員はこの数字が不服だったらしい。 「病気か何かされたんですか?」と聞いてきた。 「え、何でですか?」 「いや、5キロも減ってますから」 「ダイエットやってるんです」 「運動か何かですか?」 「いいえ、食事制限です。何なら、やり方教えましょうか?」 そう言うと、係員は笑っていた。
【身長】 さて、今回の健康診断で一番驚いたのが、身長測定だった。 ぼくは今まで177,3センチだったのだが、今回は何と178センチになっていた。 この歳になって7ミリも成長するというのは、ちょっとした事件である。 もしかしたら、以前O脚矯正のためにやっていた、バレリーナポーズという運動の効果なのかもしれない。
ぼくは若い頃柔道をやっていたためか、O脚になってしまった。 そのことについて、別に気にはしてなかった。 ところが、ある時、本に「O脚が治れば身長はあと2〜3センチは伸びる」というようなことを書いてあった。 それを読んで、治そうという決意をした。 それ以来、O脚矯正のためにいろいろな運動をやってみた。 しかし、なかなか効果がない。 「やっぱり、だめか」と諦めていた時だった。 『おもいっきりテレビ』の中で、そのバレリーナポーズのことをやっていた。 なぜO脚になるのかという説明をしたあと、なぜこの運動がO脚にいいのかという説明があった。 説得力のある説明で、ぼくは「これは!」と膝を打ったものだった。
その運動を知って以来、ぼくは欠かさずこの運動をやっていた。 ところが、2ヶ月前、治っていたはずの痔が再発したのだ。 幸い痔のほうはほどなく治まったが、これからはお尻に負担をかけることはやめることにしたのだ。 そこで、バレリーナポーズもやらなくなっていた。 しかし、この運動が身長にいい効果を与えたというのなら話は別である。 多少の障害はあっても、再開するしかない。 何せ、ぼくの夢は、身長180センチになることなのだから。
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