2003年08月17日(日) |
コンビニ強盗 (前編) |
8月に入って、うちの地区の警察署管内でコンビニ強盗が立て続けに起こった。 犯人は顔を隠さずに堂々と店に入ってきて、従業員にカッターナイフを突きつけた。 そのため、金は盗られたものの、防犯カメラにはしっかり犯人の顔が映っていた。 ということで、すぐに捕まるものと思っていた。 しかし、それがなかなか捕まらない。 特にコンビニの多い地区なので、どこに出没するかわからないのだ。 Sばかりやるので、Sを重点的に張り込んでいたら、犯人はその裏をかいて、Rを襲う、と知り合いの刑事さんが言っていた。 まさに、いたちごっこの様相である。 そうこうするうちに、被害は5件にも上った。 どの事件も同じ人間が防犯カメラに映っていたという。
さて、昨日のこと。 テレビを見ていると、強盗犯人が捕まったというニュースが流れた。 犯人は39歳で、職業は何と『アルバイト』なのだそうだ。 こういう場合、普通は『無職』もしくは『フリーター』などと言うのではないだろうか。 職業が『アルバイト』というのは初めて聞いた。 テレビ局のテロップが間違っていたわけではなく、おそらく犯人が職業を聞かれて、そう答えたのだと思う。 『アルバイト』を職業だと思い込んでいるような奴だから、こういう馬鹿なことをしでかすのだ。 5件もやっているから、おそらく10年近くは刑務所に入っていることだろう。 そこで、『アルバイト』が職業なのかどうかをじっくり考えるがいい。
今日、前出の刑事さんが、うちの店に遊びにやってきた。 非番らしい。 「昨日捕まりましたねぇ」とぼくが言うと、「おう、おれが捕まえたんよ」と言った。 話によると、あのカメラに映っていた顔とそっくりの男が軽自動車に乗っていたらしい。 そこで職務質問しようと車の中をのぞき込むと、そこに例のカッターナイフがあったのだそうだ。 捕まったのは、ぼくの通った中学校の近くにあるコンビニの前だったらしい。 おそらくそこを狙っていたのだろう。
そういえば、前に一度、防犯カメラに映し出された間抜けなコンビニ強盗をテレビで見たことがある。 その時、犯人はカウンター越しに包丁を突きつけていた。 ちょっと待てよ。 カウンターの奥行きは、だいたい5,60センチほどではないだろうか。 一方、腕の長さは70センチ程度だろうか。 その差10センチ。 そのくらいなら、カウンタに張り付いてない以上、刺される心配はないじゃないか。 やはり突然のことなので、普通は動揺するのだろうか。 ところが、このコンビニの店主は違っていた。 カウンターの後ろに、バットを用意していたのだ。 「金を出せ」と犯人が包丁を突きつけたとたん、店主はバットを構えた。 すると、犯人はそれを見て尻込みしてしまい、一目散に逃げ出した。 結局犯人は、店主と店にいたお客さんに追いかけられ、蹴られ殴られ、ご用となった。 何も盗らずに逃げ、痛い思いをした上、懲役何年か喰らったというのだから、割の合わない話である。 強盗というちょっとした思いつきが一生を台無しにした、とも言えるだろう。 いずれにしても馬鹿な奴だ。
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