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2003年07月24日(木) 犬の糞

昨日の夕方のことだ。
店の入口前に犬の糞が落ちていた。
二つ転がっていたようで、ぼくが気がついた時、一つの固まりにはもう何人かの人が踏んだあとがあった。
放っておくわけにはいかないので、ぼくはトイレットペーパーを持ってきて、まず踏まれてない固まりをわしづかみにし、トイレまで持って行った。
まだ少し温もりが残っているようで、何となく気持ち悪かった。

一方の踏まれたほうは、水を引っかけて、デッキブラシで磨こうと思った。
が、そのデッキブラシが見当たらない。
その代用となるような物もない。
しかたがないので、これもトイレットペーパーで拭くことにした。
店の前はレンガが敷いてあるのだが、その目地に入った糞がこびりついて取れない。
水を少しずつ流しながら、慎重にやったのだが、それでもだめだ。
しかも悪いことに、トイレットペーパーは水が染みこむと溶けていく。
指に水の感触がするたびに、指を臭っていた。
そのうち面倒になってきて、最後は水をバシャーっと流して終わりにした。

あとで話を聞くと、ぼくが糞に気がつく少し前に、大きな犬が入口付近にいたとのことだった。
飼い主がついていたらしい。
こういう場合、ちゃんと飼い主が始末をするのが筋ではないだろうか。
ペットを飼う人のマナーはなってないと、よく囁かれている。
自分が他の犬の糞を踏んだ時のことを考えてみろ、というのだ。
マナーの悪い人に限って自己中心的な人が多いから、きっと目くじらを立てて怒るだろう。
たちの悪い奴なら、慰謝料を請求してくるかもしれない。

そういえば、以前もこんなことがあった。
ある若い男性客が飼い猫を抱いて買い物にきていた。
そのお客が、ぼくの売場の前を通りかかった時である。
手が疲れたのか、猫を床におろしたのだ。
その瞬間だった。
猫は小便をした。
ぼくは、その光景を見ていたのだが、その客が慌ててポケットの中を探ったりしていたので、てっきり後始末をするものだと思っていた。
ところがである。
何と、そのお客はその猫を再び抱えて、こちらの方を睨み付け、その場を立ち去った。
追いかけて行って一言言ってやろうと思ったが、そのまま濡れた床を放っておくわけにもいかず、キッチンペーパーを持ってきて、拭き上げた。
そのお客はさっさと出て行ったようで、もう店の中にはいなかった。

まあ、ペットを連れてくる人すべてが、こんなマナーのない人たちではない。
中には、「すいません。犬がおしっこをしたので、何か拭く物貸して下さい」と言ってくる人もいる。
こちらが「手伝いましょうか」と言っても、「いいえ、うちの犬がやったことですから」とちゃんと自分で後始末をやっている。

ペットは人間性を映す鏡だとも言われる。
ペットに、己のマナーの悪さを語ってもらうのも、寂しいものである。


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