午前中仕事だった。 帰ってから床屋にでも行こうと思っていた。 しかし、まだ風邪が全快してないようなので、もし顔を剃っている時に咳き込みでもしたら大変と、今日は床屋に行くのは止めておいた。 前回床屋に行ったのが、11月19日だから、もう2ヶ月近く髪を切ってないことになる。 左目に軽く髪がかかり、実にうっとおしい。 前髪をかき上げながら、「このへんをバッサリやったら気持ちいいだろうな」と、最近いつも思っている。 来週こそは床屋に行こう。
で、午後からは何もすることがなく、適当に時間を潰していた。 パソコンは開かなかったが、テレビを見たり、本を読んだり、昼寝をしたりしていた。 何度か昼寝をして、気がついたら、もう日が暮れている。 と、そろそろ日記の準備でもしようかと思った時である。 突然耳の下が痛くなってきた。 風船をふくらましたりした時に痛くなる部分である。 「もしかして、おたふく風邪?」と思ったが、よく考えたら、ぼくは、はしか、水疱瘡、おたふく風邪といったところは小学校入学までにすましている。
特に、おたふく風邪の時ははっきり覚えている。 あれは保育園年長の冬休み明けだった。 大相撲をやっていたから、ちょうど今時期だったろう。 あの頃は今と違って、冬と言えばかなり寒かった。 雪もしょっちゅう降っていて、保育園に行く途中、つららが何本も下がっていた。 その日もそんな寒い日だった。 保育園から帰り、「ひょっこりひょうたん島」を見ながら、お菓子を食べていた時だった。 急に耳の下が痛くなった。 最初はそれほどでもなかったのだが、時間を追うごとにだんだん痛みが増してきた。 その日は我慢していたのだが、翌日起きてみると、頬が腫れている。 病院に行くと、医者は「ああ、おたふく風邪ですなあ。しばらく保育園は休ませたほうがいいでしょう」と言った。 「休める」と思ってぼくは一瞬喜んだが、その喜びもすぐに痛みで打ち消された。 熱にうなされるし、顔は変になるし、さんざんな想い出である。
しかし、今日の痛みは何だったのだろう。 1時間近く痛みは続き、そのうち痛みは引いていた。 風船をふくらましたわけでもないし、まったく原因がつかめないでいる。 まあ、治ったんだからいいようなものの、最近ぼくの周りで入院する人が多くいるので、ちょっとしたことが気にかかる。 しかし、ぼくの辞書の中には、おたふく風邪もどきの病気はないから、あまり気にしないでおくようにしよう。 とはいうものの、気にするまいと思うと、かえって気になるものである。 もしかしたら今日の痛みは、「無駄に時間を過ごしているのを見つけたら、おたふく風邪の恐怖を味わしてやるぞ」という神の警告かもしれない。 くわばら、くわばら。
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