| 2002年11月25日(月) |
パソコン前夜 その2 |
思えばよく揃えたものだ。 書棚5台分のコミック。 そのほとんどを、ここ6年間で買った。 手塚治虫から買い始め、長谷川町子、白戸三平、横山光輝、水木しげる、つのだじろう、楳図かずお、つげ義春、鴨川つばめなど、学生時代によく読んでいた懐かしいマンガ家のものを買い漁った。 その後は、小林まこと、さくらももこ、西岸良平、弘兼憲史、浦沢直樹といった現役作家のものを買い続け、現在に至っている。 実家のどこかに、小学生の頃に買った『サイボーグ009』や『おそ松くん』、中学の頃に買った『男一匹ガキ大将』や『天才バカボン』、高校時代に買った『水滸伝』、東京にいた頃に買った『エースをねらえ』や『三国志』など、かなりの量のコミックが眠っているはずだから、全部出すと、書棚があと2,3台は必要になるだろう。
パソコンを持つ前は、歴史書に加えて、これらのコミックも読んでいた。 日記に中断されることがなかったから、どんなにマンガでも一気に読んだ。 そのせいで、徹夜することもしばしばあった。 「しんちゃん、眠そうな顔しとるねえ。昨日飲んだんやろ?」と聞かれても、「いえ、昨日は徹夜して、マンガ読んでました」などとは言えない。 「いい歳して、何がマンガか!」と言われるのがおちである。
何でそんなにマンガが好きなのか。 それは、ぼくがマンガ世代だからである。 そのおかげで、マンガは活字に劣る、といった偏見を持たずにマンガに接することが出来る。 マンガの良さがわからないと言う人がいる。 これは悲しいことだ。 名作と言われているマンガを、「所詮マンガだからね」の一言で読まない人がいる。 これもまた悲しいことだ。
ところで、今はどうか知らないが、ぼくが小学生の頃は、学校にマンガを持って行くのは禁止されていた。 しかし、ぼくのカバンの中にはいつもマンガが入っていた。 休み時間に読むと、「先生、しんた君は学校にマンガを持ってきています」とチクる奴がいるので、みんなが黒板に集中している授業中に、こっそりと読んでいた。 よく「しんたは授業中、突然笑い出す」といって『変なヤツ』扱いされていたが、実はマンガを読んで笑っていたのである。 そんなこと口が裂けても言えないから、『変なヤツ』扱いを甘んじて受け入れていた。
今のように日記に追われる以前は、結構深くマンガを読んでいた。 そのおかげで、元気や勇気をもらったこともある。 人生観が一変したこともある。 深い哲理に触れたこともある。 最近はそんな読み方が出来ない。 そんな読み方をする時間がない。 じゃあ、そんな読み方を邪魔するパソコンをやめればいいじゃないか、と思われるかもしれないが、いったんハマったものを、そう易々と捨てるわけも行かない。 パソコンを扱うようになってから、失ったものものは多い。 が、得たものも、また多い。 と言えるだろう。
|