頑張る40代!plus

2002年05月05日(日) プリン

いつも日記に、お酒が好きだと書いているので、意外だと思われるだろうが、実はぼくは甘党である。
ショートケーキをビールのつまみにしたこともある。
洋酒を飲む時は、チョコレートやレーズンバターを離せない。
日本酒は基本的に甘口である。
カルピス酎ハイ、大好きである。
杏露酒、大歓迎である。

こんな甘党のぼくにも、かつて苦手なお菓子があった。
それは、プリンである。
小学生の頃、プリンが全然だめだった。
ハウスのプリンが発売された当初、親戚のおばちゃんに作ってもらったことがあるが、クセのある嫌な味だった。
そのせいでぼくはプリンが嫌いになり、給食に出たプリンは、いつも人にあげていた。
もちろん、デパートに行った時も、プリンのついている「お子様ランチ」などは注文しなかった。

ようやく、プリンを口にするようになったのは、30歳を越えてからだった。
その間、何度かプリンを食べる機会はあったが、いつも小学生の頃の思い出にさえぎられて、食べることはなかった。
30歳を越えた時に食べたプリンは、グリコの『プッチンプリン』だった。
腹が減ったので、冷蔵庫を開けてみたら入っていたのだ。
ただ、その時はプリンと思って食べたのではなかった。
あまりに腹が減っていたので、冷静さを失っていたのだろう。
固形のヨーグルトと思って食べたのである。
容器に「グリコ/プッチンプリン」と書いているし、色も違うじゃないか、と思う人もいるだろうが、その時は本当にヨーグルトだと思っていたのだ。
その時は、ちょっと色が変だなあ、と思った程度である。

当時はプッチンプリンの食べ方も知らなかったので、そのまま容器に付属のスプーンを突っ込んで食べた。
一口目に、「あれ?」
二口目に、「ヨーグルトじゃない」
三口目に、「何だ、これ?」
と、三口食べた後で、ようやく容器の文字に気がついた。
「げ、プリンやん」
と思ったが、それほど悪い味ではない。
かえって、おいしさを感じる。
「まあ、食べてみるか」と、ぼくは一気にこれを口の中に入れた。

それから、プッチンプリンが病みつきになった。
こうなると、レストランのプリンも食べてみたくなる。
レストランに行く機会があると、いつもデザートにプリンを頼んでいた。
その後、プリンを食べるのにも飽きて、またいつものミルクティを頼むようになった。

しばらくプリンのことを忘れていたが、ある時、「さかえ屋の○プリンはおいしい」とパートさんたちが話しているのを聞いた。
「さかえ屋の、何プリン?」
「石田プリン」
「おいしいと?」
「おいしいよ」
「じゃあ、買ってきて」
「そのプリンね、毎日売る個数が決まっとって、朝早く並んで買わないけんとよ」
「そうなんね。じゃあ食えんねえ・・・」
プッチンプリンの洗礼を受けてから、ぼくはいっぱしのプリン通のつもりでいたので、どうしてもその『石田プリン』なるものを食べてみたかった。

ようやく、その『石田プリン』を口にすることが出来たのは、その話を聞いてから半年後のことだった。
ある人が差し入れしてくれたのだ。
プッチンプリンと同じように、プラスチックの容器に入っている。
容器にはちゃんと『石田プリン』と書いてある。
まず、一口食べてみた。
ぼくが知っているプリンの味と全然違う。
玉子の味が若干強く、といって嫌味がない。
カラメルソースとうまく調和している。
あまり甘すぎもせず、上品な味のする一品だ。
もし、これをプリンと呼ぶのなら、ハウスプリンやプッチンプリンはプリンとは呼べないだろう。

さかえ屋は福岡県内にある、お菓子のチェーン店である。
石田プリンは、元社員の石田さんという方が作ったプリンだから、そう呼ぶらしい。
実に安易なネーミングであるが、それだけに重みを感じる。
このプリンを知っている人は、その名前を聞いただけで、あの味が蘇るだろう。
残念ながらぼくは、この石田プリンを2度しか食べたことがない。
それだけ、手に入りにくいプリンであるといえよう。
まあ、休みの日に早く起きて、わざわざさかえ屋に行くのが億劫なだけであるが。


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