明日は何年ぶりかの早出である。 新店オープンのため、応援に行かなければならない。 朝8時半に集合ということだから、遅くとも7時半に家を出ないと、間に合わない。 新店は、うちの店からあまり離れていない場所にある。 家からの直線距離では、若干近い。 ということは、普段なら20分ぐらいで着く距離なのだが、何せ時間が時間である。 一般の人の通勤時間と重なってしまう。 となると、これは地獄である。 こちらの渋滞は、生半可なものではない。 ノロノロでも前に進めばいいのだが、こちらの渋滞は進まない。 ひどい時には、20分かかって10mほどしか進まなかったこともあるのだ。 今は、道路状況も少しは改善されているから、そこまでの渋滞はないだろうが、それでも覚悟はしておかなければならない。
以前も、同じ時間に出勤しなければならないことがあった。 その時には倍の時間を見積もっていた。 つまり、集合時間の40分前に家を出たのである。 しかし甘かった。 着いたのは、集合時間から10分ほど過ぎた時間だった。 当然、「お前、もっと早く出て来い!」と文句を言われた。 ということで、今回は通常の3倍の時間を見積もって、1時間前に家を出ることを決めたのである。 新店のある場所も確認してきた。 どの道を通れば早く着くかも調べた。 おそらく明日は楽勝だろう。 しかし、それもこの日記が何時に書き終わるかにかかっている。
そういえば、前にいた会社に、ミエコという女の子がいた。 彼女はぼくの部下だったのだが、遅刻の多い子だった。 その遅刻の理由というのが面白かった。 普通、会社での遅刻というのは、「寝坊した」「電車が遅れた」「渋滞に巻き込まれた」という理由が圧倒的に多いだろう。 しかし、ミエコの場合は違っていた。 彼女は、「9時半に会社に着くためには、何時に家を出たらいいのか」という計算ができなかったのだ。 「ミエコ、お前、今日何時に家出たんか?」 「8時50分」 「お前の家からここまで1時間かかるのに、どうして40分前に家を出るんか」 「だって、何時に出ていいか、わからんやったんやもん」 「お前、9時半の1時間前っちゃ何時か?」 「9時半の1時間前やろ、うーん、8時半!」 「そう、8時半やろ。じゃあ、何でその時間に出らんとか」 「ああ、そうか。そうやって計算するんか」 である。 しかし、その翌日には、決まって突拍子もない時間に来たものだ。 一度、8時に来たことがある。 「お前、何時に家出たんか?」 「7時!」 「ばかか、お前は!前にも言うたやろ、8時半に家を出れば間に合うっち」 「ああ、そうやった」 しかし、その翌日には、また遅刻である。 このミエコとあのモリタ君のおかげで、ぼくはいつも神経をすり減らしていた。
さて、学生時代の半分以上を遅刻していたぼくはどうだったのか、というと、前の会社ではいたって真面目だった。 遅刻したのは2回だけであった。 一度目は、歩道橋の階段の手すりに頭をぶつけて、5針縫う怪我をした時だった。(11月3日の日記参照) 二度目は、ストーブの火を消し忘れ、途中でそのことに気づいて、引き返した時である。 会社には電話を入れておいたが、理由が理由だけに、何も咎められなかった。
あ、もう午前0時を過ぎている。 早く寝ないと遅刻してしまう。 ということで、新たに登場したキャラ「ミエコ」のことは、また追って書くことにします。
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