先日、テレビ東京系で「おもしろローカルCM大賞」という番組をやっていた。 やはり関西のCMは面白かった。 へこんだ車を売るのに、「最新のデザインや」と言い張るおばちゃんのCMや、関西電気保安協会のCMが特によかった。 あの臭さがたまらなくいい。 引越しのサカイのCMの初期の頃の臭さを、髣髴とさせるものがあった。
そのほかにも、全国いろいろなCMが流れていた。 福岡放送の「ナイトシャッフル」を見たことのある人なら誰でも知っている、沖縄の『川満しぇんしぇい』も出ていた。 沖縄では、知らない人がいないほど有名な人だということである。 ちなみに、「ナイトシャッフル」では見せなかった自宅の中を、この番組では見せていた。
福岡のCMでは、双子の姉妹が振りをつけて「2000円で行けるばーい♪」と歌う西鉄ののCMや、天国社のCMを流していた。 天国社のCMは、全国的に話題になっているそうである。 80歳を越えたお年寄りがダンスや卓球をやっている姿を映し、バックで「まだまだ行かない、天国社♪」という歌を流すCMである。 『天国社』とは葬儀屋である。 ぼくは、初めてこれを見た時から「変なCM」と思っていたが、こんなCMが話題になっているとは驚きである。
そういえば、福岡にはけっこうお宝CMがある。 早朝の街を駆け抜ける一台のバイク。 そのバイクの行き先は、高台にある墓場。 新宮霊園という会社の、15秒ほどのCMである。 たったこれだけのCMであるが、このCMのどこがお宝かというと、このCMには「もっていまーすかー、・・・、しんぐうれいえんー♪」という歌がバックに流れている。 実はこの歌、長渕剛が歌っているのである。 かなり昔からやっていたCMだから、この歌はおそらくこちらにいた頃、つまりデビュー前のものだろう。 まさにファン必聴ものである。
何年か前に、阿蘇大観望が舞台にしたドコモ九州のCMがあった。 あの頃はメインキャラクターが、陣内孝則だった。 女性と二人で出ていたのだが、その女性があの田中麗奈だったらしい。 そういえば、「なっちゃん」のCMが流れていた時、友人が「あ、ドコモの子やん」とか言っていたなあ。 ぼくは、ドコモのCMを見たとき、大観望のほうに目を取られて、女の子の顔などはちゃんと見ていなかったので、ピンと来なかったけど。 さすがに田中麗奈のCMはもう流れていないが、長渕のCMはいまだに現役である。
けっこう地元出身の芸能人を使ったコマーシャルも多い。 最近は、ハウスのインスタントラーメン『うまかっちゃん』のCMに、氷川きよしが出ている。 前は元チェッカーズの高杢が出ていた。 また、九州電話のCMには、武田鉄也・財前直美・前川清が出ている。 ホワイトデーを発案した石村萬盛堂のCMには、元社員でもある小松政夫が出ていた。 しかし、芸能人を多く輩出している福岡県にしては少ないほうである。
さて、ぼくがCMで一番印象に残っているのは、高校を卒業する頃よく深夜にやっていたCMである。 たしか『ハワイグループ』というキャバレーか何かのCMだったと思う。 別に、映像が斬新だった、などという理由ではない。 あまりしつこく流すので、歌が頭にこびりついてしまったのだ。 あの歌は今でも忘れない。 「田中さんも、高橋さんも、みんなハーワーイー♪、(ハワイ!)」 という歌だった。 そういえば、「楽しいロンドン、愉快なロンドン、ロンドーン、ロンドン♪」というCMもこの頃のものだった。
ところで、このCMを思い出す時、必ず対で思い出す歌がある。 深夜にやっていた、「歌う天気予報」でかかっていた歌である。 濃艶なケバイ姉ちゃんが歌っていた。 「私はあなたが好き、たっまらなく、たっまらなく、すっきー♪」 という歌だった。 この歌を聴くたびに、いつもぼくは「この人はどうやって歌手になったのだろうか?」と思っていた。 振りは下手だし、歌も決してうまいものではなかった。 「歌手にしてやる」と言う甘い口車に乗り、体を捧げてきたタイプじゃないのだろうか。 まあ、いろいろな要因があって歌手になったのだろうが、この歌詞はいただけない。 その後、彼女の姿をテレビで見ることはなかった。 彼女にはきっと、いいスポンサーがつかなかったのだろう。
|